ドイツ、1776〜1822。アーネスト・テオドア・アマデウス・ホフマン。 『砂男』や『黄金の壺』、『廃屋』、『蚤の親方』、『牡猫ムルの人生観』など、幻想小説を多く書いた。 ドストエフスキーなどは心酔者であったし、カフカなどにも大いなる影響を与えた。 夏目漱石の『吾輩は猫である』は『(カーテル・)ムル』を模したものとも言われている。
砂男/クレスペル顧問官 (光文社古典新訳文庫) 作者:エルンスト・テオドール・アマデウス ホフマン 発売日: 2014/01/09 メディア: 文庫 『砂男/クレスペル顧問官』E.T.A.ホフマン著 大島ゆかり訳を読む。 「オッフェンバックのオペラ『ホフマン物語』の原作」となった3つの短篇集。読まなきゃなあと思っていたが、『クララ殺し』小林泰三著の関連で読んだ。 『砂男』砂かけ婆は人間に砂をかける妖怪。砂男は「子どもを眠らせるため砂状の魔法の霧を目にふりかける」妖精。ナターナエルは父の知人・弁護士のコッペリウスが砂男ではないかと思っていた。青年になったナターナエルは晴雨計売りのジュゼッペ・コッ…
※この記事には『くるみ割り人形』の類似性にのみ言及し、吉野源三郎先生の同名小説には全く言及していません。 ※この記事は『君たちはどう生きるか』と『くるみ割り人形』のネタバレを含みます。 『君たちはどう生きるか』を観に行ったら、『くるみ割り人形』だった話。 三鷹の森ジブリ美術館企画展示「クルミわり人形とネズミの王さま展」について。 くるみ割り人形(くるみ割り人形とねずみの王様The Nutcracker and the Mouse King)について。 『君たちはどう生きるか』と『くるみ割り人形』のストーリー・シーンの類似点について。 『君たちはどう生きるか』を観に行ったら、『くるみ割り人形』だ…
迷いの谷 平井呈一怪談翻訳集成 (創元推理文庫) 作者:A・ブラックウッド,他 東京創元社 Amazon 『迷いの谷-平井呈一怪談翻訳集成-』A.ブラックウッドほか著 平井呈一訳を読む。 M.R.ジェイムズは『消えた心臓』、『マグナス伯爵』など。A.ブラックウッドは『人形』、『部屋の主』など。で、最初に訳したA.E.コッパードの『シルヴァ・サアカス』。平井がリスペクトするラフカディオ・ハーンの『怪奇文学講義』。他の人の訳で読んだのもあれば、再読もある。 久しぶりに平井訳を読んだが、その日本語の楽しいこと。エッセーの洒脱なこと。 「翻訳家は演奏家だとわたしは思っている。演奏家が作曲家のつくった楽…
本の買取強化中です。JR小倉駅北口「小倉の古本屋」古書城田 JR小倉駅北口(新幹線口)の古本屋、古書城田です。北九州市内をはじめ福岡県内&近県、本の出張買取、本の遺品整理を行なっています。大量歓迎です。査定無料、出張費無料です。どうぞご相談くださいませ。 (買取専門)093-551-3009 メール:shirota@mx71.tiki.ne.jp 古物商許可証 [第32483号/福岡県公安委員会] 全国古書籍商連盟北九州古書組合所属 店舗はJR小倉駅北口、徒歩1分の場所にございます。ファミリーマート小倉駅北口店さんのすぐ裏手となります。ご来倉の折は、どうぞお気軽にお立ち寄りくださいませ。 〒8…
愛の中には常に狂気がひそんでいる。そして狂気の中には常に理性がひそんでいる。――フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ 手塚治虫の漫画を実子の手塚眞監督が実写化した映画『ばるぼら』を視聴したっす。原作をコンパクトに纏めてあって出来は悪くないです。ばるぼら(バルボラ:二階堂ふみ)が芸術の女神というより魔女の方に寄ってるかな。漫画(原作)の時代や地域を超越した芸術作品が雑多に置かれているムネーモシュネーの店が好きなんすが、映画は異空間感が無いかな。二階堂ふみがばるぼら役と聞いて合わないと思ってたんすが、まあまあ合ってます。ヌードになってるし……。漫画と違い編集者の甲斐加奈子役の石橋静河を美人と思った…
気づいたらクラシックバレエ歴21年になっているので、まあそれなりに舞台の場数は踏んでいるし、バレエ鑑賞の経験も少なくありません。そんなわたしのバレエ人生の中で、この作品がすき!というお話をしようかなと思います。 今日の話題は「くるみ割り人形」!一番好きな作品です。 「くるみ割り人形」とは チャイコフスキー作曲のバレエ作品で、「眠れる森の美女」「白鳥の湖」と並んで「チャイコフスキー三大バレエ」とも称されます。ドイツ出身のE.T.A.ホフマンという人が書いた童話が原作で、わたしも幼い頃に児童書で読みました。 少女クララ(原作ではマリー)がクリスマスプレゼントにもらったくるみ割り人形と夢の世界を旅す…
2023年8月4日(金) 昨夜の夢。ハンブルクの中央駅(という表示がある)にいる。なぜかひとけのない、殺風景な風景。アルスター湖はどちらか、港はどちらか、と思いつつ歩く。いつのまにか、Y先生や新型コロナで亡くなった友人、その他数名と路地を歩いている。日本の居酒屋のようなところに入り、ビールを飲む。なぜこんなに日本風の店が並んでいるのだろうと考える。ひとりで店を出て、さて「本当のハンブルク」はどこだろう、とあたりを見回す……。 入手本 『幽霊綺譚 ドイツ・ロマン派幻想短篇集』ヨハン・アウグスト・アーペル/フリードリヒ・ラウン/ハインリヒ・クラウレン著識名章喜訳 国書刊行会 2023/7/24 h…
A・ブラックウッド他『迷いの谷 平井呈一怪談翻訳集成』(創元推理文庫 5/31刊)読。 http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488585099 『幽霊島』(A・ブラックウッド他) ↓ … https://neunumanumenu.hatenablog.com/entry/2019/09/26/225511 …並びに『恐怖』(アーサー・マッケン傑作選)に続く藤原編集室編纂による平井呈一翻訳怪談シリーズ最新刊。 アーサー・マッケンと共に「英国怪奇の三羽烏」と平井が称揚したM・R・ジェイムズ2篇とブラックウッド6篇 + ラフカディオ・ハーン怪奇文学講義2種の訳出…
20230521(了) 『怖い絵』/中野京子 まえがき 作品1 ラ・トゥール『いかさま師』 作品2 ドガ『エトワール、または舞台の踊り子』 作品3 ティントレット『受胎告知』 作品4 ダヴィッド『マリー・アントワネット最後の肖像』 作品5 ブロンツィーノ『愛の寓意』 作品6 ブリューゲル『絞首台の上のかささぎ』 作品7 クノップフ『見捨てられた街』 作品8 ボッティチェッリ『ナスタジオ・デリ・オネスティの物語』 作品9 ホガース『グラハム家の子どもたち』 作品10 ゴヤ『我が子を喰らうサトゥルヌス』 作品11 ベーコン『ベラスケス<教皇インノケンティウス十世像>による習作』 作品12 アルテミ…
(Image Creatorにて作成) はじめに コッペリアの原作・作曲 コッペリアあらすじ Metamorphosis Danceによるコッペリア 最後に はじめに 今日はバレエ組曲『コッペリア』(Coppelia Suite) を鑑賞してきました。去年のクリスマスシーズンに奥さんと一緒に『くるみ割り人形』を観てから、この歳になってバレエの面白さに気づいてしまい、また何かバレエ作品を観たいなと思っていました。 ▼初めてのバレエ『くるみ割り人形』を観た話▼ そんな時、ネットでAustinで活動するMetamorphosis Danceというバレエ団による『コッペリア』の演目を知ったので行ってき…
マザー・グース (Mother Goose):ハンプティ・ダンプティの闇(随想録―67) マザー・グースは、主にイギリスで歌い継がれてきた童謡集です。「主に」というのは、「砂男」という幾分不気味な歌がマザー・グースにはあり、これがモチーフの怖い同名小説を、ドイツの小説家:E.T.A.ホフマンが書いていて、ヨーロッパ圏での、文化の共有を感じます。マザー・グース、フランス語で「マ・メール・ロア」:モーリス・ラヴェルがバレエ組曲を書いていますが、彼らしく、駄曲です。 私は、大学生時代の初期に、マザー・グースに興味を持ち、楽譜付きの本を買い求め、リコーダーで演奏してみつつ、どんな曲があるか、探ったこと…
このオペラはオッフェンバックの唯一のオペラとして1881年に完成・初演されました。三つのショートストーリから成り、ホフマンはその語り部であると共に、物語に主体(メインキャスト)として登場します。要するに自分の体験談を語るのです。 【鑑賞日時】3日目鑑賞 2023.3.19.(日)14:00~ 【会場】NNTTオペラパレス 【演目】ホフマン物語(Les Contes d'Hoffmann)、仏語、全五幕3時間40分(第1・2幕75分 休憩30分 第3幕50分 休憩30分 第4・5幕40分) 【公演期間】2023年3月15日(水)~3月21日(火・祝)全4日間 【管弦楽】東京交響楽団 【指 揮】マ…
こんばんは、茅野です。 最近、我らが最愛の『エヴゲーニー・オネーギン』界隈が盛り上がりを見せており、いつのまにやらオタク歴8年目(!?)に突入していたわたくしとしても驚くばかりでございます。自分のオタク歴にも驚いております。 「何をしても許される蛮勇若者キャラ」でやってきたのに、意外とオタク歴長くなってきてません……? このままでは単なる老害になっちまう。よりよいオタクを目指し精進致します、はい。 そんなキャラクター性を払拭せぬまま、蛮勇にも、「オペラ座ル・グラン・ガラ」公式様に一言申し上げたところ、ほんとうに『オネーギン』を演るとか仰るし……。そんなことある? @LeGrandgGalaJP…
【主催者言】 ユーモアと洒落た雰囲気、そして深い余韻を残す名作。ローラン・プティが画期的な演出と振付で創作した『コッペリア』は、1975年にマルセイユ・バレエで誕生しました。それまで世界中で上演されていた『コッペリア』が19世紀の時代精神を体現するバレエだとすると、本作品は現代に生きる人々が主人公で、時代を超越した人生と愛がテーマとしてはっきり浮き上がります。プティ独特のユーモアやフランス流の洒落た仕掛けの妙味はもちろん、ラストに待ち受ける奥深いメッセージが心に残る作品です。2021年5月に上演予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響により公演中止となり、全キャストを4日間無観客公演にてラ…
こんばんは、茅野です。 ふと思い立って、先日はてなブログの「グループ」なるところにお邪魔してみたのですが、未だ役立て方がよくわかっておりません。ブログ歴何年目だって話ですね。突っ込んだら負けです(高校生の頃から書いているので、ろ、6年強……!? そんなばかな……)。 さて、本日は我らが新国立劇場上演、バレエ『コッペリア』にお邪魔しました。初日、2月23日の回で御座います。 なんだかバレエを観るのが久々なような気がしたのですが、確かに1月は何も観ていませんでした。一ヶ月観ないだけでこんなにも久々な感じがするものか。(ちなみに12月に観ていたものはこちら)。 そんなわけで、なんとなく新鮮な気持ちで…
会員の前田織絵先生から、ワークショップのお知らせをいただきました。 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇 「ドイツ語文芸翻訳ワークショップ2023」のお知らせ テーマ:Kunst und Liebe 講師:鈴木芳子さん、小川さくえさん 日時:2023年3月12日(日) 13時~15時30分 開催方法:Zoomにて開催 鈴木さんのセッション:「Kunst und Liebe」というテーマで、E.T.A.ホフマンの『牡猫ムルの人生観』をテキストとして、読者がより深く理解し楽しめるような翻訳技法について考えます。 小川さんのセッション:ドイツ語に翻訳された日本の文学作品をふたたび日本語…