4月になり、新年度が始まった。今までカジュアルな服装でバス待ちしていた女子が、オフカジュアルな出で立ちになり、足元もスニーカーからパンプスに変わった。新社会人の始まりなのだろう。 僕の勤め先にも新卒が3人入ってきた。けれど数日前にひとり辞めてしまったので、何となく複雑な気分だ。 詳しい事情はわからない。ただ、彼が座っていた席にはもう別の人が座り、痕跡は残っていない。 街を歩いていると、更地になった場所を見かけることがある。そこに何が建っていたのか、思い出せないことも多い。 新人たちの加入と日々の忙しさの中で、彼の記憶もきっと、そんなふうに薄れていくのだろう。 会社なんて、そんなものだ。 EF-…