→ストラヴィンスキー
クラシック音楽・作曲家(1882-1971)
ストラヴィンスキーが「カメレオン作曲家」と呼ばれたゆえんは、その類稀なる探究心と革新性にある。19世紀末、ロシア国民学派の巨匠・リムスキー・コルサコフの愛弟子としてキャリアをスタートした彼は、ロシア民謡やロシア風管弦楽作曲に触れながらも、さらなる発展を求め先鋭的な手腕を発揮。ロシア・バレエ音楽のギミックを手にし、パリに乗り込み、『火の鳥』『ペトルーシュカ』『春の祭典』といったバレエ音楽の傑作を世に送り出す。
その後は、新古典主義を展開しながら、オペラ/オラトリオ/ジャズ/サーカス・ポルカといった衣装を次々にまとい、それらをコラージュ的に用いながら自らの作風に還元していったのである。また、88歳で死ぬまでの約20年間は12音列による宗教音楽を作曲しつづけた。
飄々とあらゆる素材に手を出し、したたかなまでに作品に反映させていくさまは現代音楽の礎を築いたといえる。マイルス・デイヴィスが“最も影響を受けた音楽家”と公言しているのも頷ける話だ。
(Listen.com 編集部 小林朋寛)
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