Jリーグ(日本プロサッカーリーグ)で2013年から導入された、加盟サッカークラブのリーグ参加資格を定めたライセンス制度。
クラブライセンス制度の発祥は、ドイツサッカー連盟が各クラブのリーグ参加基準をチェックするために導入したのが始まり。欧州サッカー連盟 (UEFA)もUEFAチャンピオンズリーグへの参加資格として2004-05シーズンから導入し、これを評価した国際サッカー連盟 (FIFA) も2008年にクラブライセンス制度を承認した。これを受けてアジアサッカー連盟(AFC)も、2013年からAFCチャンピオンズリーグの参加資格としてクラブライセンス制度を導入することを決定、「AFCクラブライセンス交付規則」を定め、アジア各国のサッカー協会に通達した。Jリーグのクラブライセンス制度導入は、こうした国際的な取り組みに対応するためであると同時に、昨今赤字体質のクラブが増えたことで経営基盤の強化を促すことを目的としている。
Jリーグクラブライセンス制度は、5分野の審査基準項目を設けており、それぞれの項目は3種類の等級に区分されている。
ライセンスの交付判定の審査については、第三者機関であるクラブライセンス交付第一審機関(FIB)が行う。その審査の結果によって、Jリーグ ディビジョン1(J1)に参加するのに必要なJ1クラブライセンス、Jリーグ ディビジョン2(J2)参加するのに必要なJ2クラブライセンスが交付される。なお、公益社団法人日本プロサッカーリーグや日本サッカー協会の理事・監事・委員らがFIBの構成員になることはできない。
2014年シーズンよりJ3リーグ(J3)が発足するのに伴い、J3リーグ参入を目指すクラブに対する参入要件を定めた「J3ライセンス基準」および「J3スタジアム要件」が新たに策定された。
「J3ライセンス基準」は、クラブの法人格を公益法人、株式会社に加えて特定非営利活動法人(NPO法人)も認めるなど、現行のJ1、J2より基準が大幅に緩和されている。J2以上のクラブが義務づけられている4つの年代のアカデミーチーム保有も、J3では「いずれか一つ以上」とし、プロ契約選手はトップチームに「常に3人以上保有すること」を条件とする。
「J3スタジアム要件」は、ピッチは天然芝で、メインスタンドに座席があるものとし、原則として入場可能数は5,000 人以上。夜間照明の設置について"望ましい"とするなど、「J3ライセンス基準」と同様、J1、J2のスタジアム基準に比べて大幅に緩和されている。
なお、「J3ライセンス基準」および「J3スタジアム要件」はJリーグが独自に定めたローカルルールであり、Jリーグクラブライセンス制度(J1クラブライセンス、J2クラブライセンス)と連動するものではなく、AFCが定める「AFCクラブライセンス交付規則」からも独立したものである。
<