JR東日本が1993年から2002年まで生産した通勤型電車・鉄道車両。
以前の同用途で生産していた国鉄205系電車等と比較すると、車両更新周期を考え大幅な設計変更を行っている。
車両その物の使用寿命を短めに設計。部品点数が少なく構造がシンプルな物としており、軽量・低価格としている。
技術進歩のサイクルに合わせて、車両に重点的なを更新工事を行わず、車両を丸ごと取り替える事を想定して設計している。
低サイクルで丸ごと置き換える事で、常に新しい技術で快適な車両を導入できるという考えである。
この形式以前の車両が、長い期間大量の電力を消費しながら、リニューアルの際に大量の廃棄部品を発生させてしまう物に対して、地球環境に適したシステムと考えられている。
登場から15年を経過し、車体その物をそのまま再利用し、走行機器を更新した車両が登場している。
1991年に、209系の試作編成として901系が登場。特性の異なる設計の3編成を京浜東北線に投入。長期テストを実施。
1993年から209系として量産が開始された。試作車は量産型改造を施され、同じく京浜東北・根岸線にて900・910・920番台として活躍していた。
1993年の段階では京浜東北線をはじめ南武線へ0番代、川越線・八高線へ3000番代を導入。京浜東北線では、1998年までに同形式を継続導入し、全車両置き換えを完了。
1999年からは、次の形式であるE231系導入に先駆け、中央・総武緩行線へ209系500番代が緊急導入される。老朽化著しい国鉄103系電車の置き換えとして配備された。
また、常磐緩行線に増発用車両として209系1000番代が投入される。
近郊型電車として同一車体構造の701系/E217系/E127系が存在。東京臨海高速鉄道70-000形電車も209系とほぼ同型。
901系の各種走行特性の内、量産車に採用されなかった物は、特急型車両の設計データに反映。255系の登場の際に設計に活用された。
当形式の構造は、JR北海道731系電車・JR北海道キハ201系気動車に見る事が出来る。
209系の運用実績は、後のJR東日本E231系電車への進化の礎となった。
京浜東北線・根岸線で使用されている本系は、2010年1月25日をもってすべてE233系と入れ替わり、千葉地区へ転用される車両及び機器試験機Mue-train転用車両を除き廃車された。(10.10.10.現在、尾久車両センターに京浜東北線の209系が確認できるが、方向幕は回送となっている。)