原 雅明 クリス・デイヴやマーク・ジュリアナといったドラマーは、ほかの楽器プレイヤーと対等か、時にはそれ以上に演奏をリードした。ヒップホップやテクノを通過してきた彼らのドラミングは、プログラミングされたビートを正確にトレースするように機械的な抑制が効いているだけではなく、肉体がたたき出す複雑さや過剰さを両立させた。この十年来、こうしたドラマーの演奏が音楽とシーンを活性化する重要なファクターとなってきたが、今、ドラマーやドラムをめぐって、どのようなことが行われているのか、最近の興味深いリリースを取り上げて考えてみたい。 テキサス州ヒューストン出身で、同郷のエリック・ハーランドやケンドリック・スコ…