「詩的テロリズム」とは、舞台を、座席の列を、チケットと壁を備えない「残酷演劇」の一幕である。 ────ハキム・ベイ, 箕輪裕 訳,『T.A.Z.』 詩的テロリズムとは、詩の横滑りから発生する「非-知」の予告編であり、スクリーンに照らし出される一瞬間のファルス(phallus)なのである。猥雑になる瞬間を限りなく遅く回転することで、一つの微分空間が幕を挙げる。その世界では見慣れたシニフィエたちが互いの譲歩を奪い合っており、ややもすると一つのパターンが開陳され、或いは消失していく。まるで古代ローマの腸卜、或いはバロウズの禁断症状のように、目くるめく世界は開陳され、同時に回収されるのである。そこでは…