「猿と鳥。一見、交わらないふたつの生き物が、隔てられていた壁を壊そうとした」話。 「猿は、鳥に、生きる希望を与えた」(主人公が孤独に苛まれるヒロインを救済する) 「鳥は、猿がうなされる、過去の悪夢を晴らした」(ヒロインが主人公の母親トラウマを払拭) 「しかし鳥は希望を失う」(フラグ構築も束の間、主人公は意識不明の重体となってしまう) 主人公を亡くしたヒロインは男子校の舎弟たちを統率し、復讐しようとのめり込んでいく 主人公の魂魄体は一時リアル猿に憑依するが、メバチの活躍で元の身体に戻る。 重傷の体に女装をまといし主人公は硝子・ユキに支えられカラスの復讐を止めハッピーエンド。 月島カラスのキャラク…
二重人格の少女が「健康」になるため母親役であった別人格を消す話。 東欧系富裕階層の娘であったメバチは紛争で孤児となり別人格を生み出す。 嫌なことがあったり辛いことがあったりするとその人格に発現させ逃げるのである。 別人格の少女アイは狂人かと思われたが実はメバチを守る母の心境となっていた。 メバチシナリオではこの母親からの自立が描かれていくことになる。 メバチのキャラクター表現とフラグ生成過程 二重人格少女の、もう一人の人格は、母親役だった! 眼帯少女メバチは「あります」口調でキャラ付けされたお嬢様学校の夜学の生徒。お嬢様学校に夜学なんてあんのかーい。全日制お嬢様たちとは異なり、メバチは素行があ…
家族ゲー。家族間における気まずい関係を再構築する話。 霧灯ユキの母は封建的な旧家に嫁ぐが男児を産めず(莫大な資金援助の上で)離縁された。 それ故、ユキと母の間に会話は少なくあっても事務的なもので空虚な時間を過ごしていた。 だが主人公の活躍で共通の話題を得た霧灯母子は和解しコミュニケーションに成功する。 一方で主人公は離婚して家を出た義母がいつの間にか新しい男と家庭を築いており愕然とする。 しかし今度はユキが主人公の助けとなり、家族形成における矛盾を解消させる。 霧灯ユキのキャラクター表現とフラグ生成過程 霧灯ユキの心のスキマに主人公を注ぐんだ! 霧灯ユキは体験版以降の共通√で焦点が当てられたさ…
偶然拾った宝くじをきっかけに突如成金となったせいで悲劇を迎えた家族の話。 硝子之宮硝子はお嬢様学園の御三家の一人で学園全体のお姉さま役でした。 新入生には自ら礼節とマナーを手ほどきし入学者を一流のお嬢様に仕立てるのです。 そこには学園に対する愛があり、だからこそ生徒はお姉さまについてきたのです。 ですが硝子が指導に長けていた一因には庶民からお嬢様身分に這い上がった過去がありました。 フラグ構築は政略結婚の魔の手から救うという手垢塗れ展開ですがキャラとギャグでカバー。 後半は共学問題に取り組みますが、十鳩先生特有の重くて面倒くさい人物描写が炸裂する。 (あと私の読解力が低すぎて硝子の叔母なのか母…
男装の麗人として賞賛を集める演劇部員だが、実質は空っぽでやりたい事など無い少女の話。 お嬢様学園の御三家の一員である霧灯ユキは女子から黄色い声を集める王子様系な女子。 粗雑な男子の役を演じることになり、主人公のヤンキー歩きを見て指南を請うようになる。 人気の女子と一緒にいることで主人公はヘイトを集めることになり嫌がらせを受けるようになるが…… 霧灯ユキが結果的に主人公の個性を評価し潰さなかったことで事態は好転していく。 体育で活躍し、お菓子で笑顔を振りまき、髪を束ね、変質者を撃退すると主人公は一躍人気者に! 他方で主人公はユキが賞賛を浴びる一方で心を許せるトモダチがいないことに気付いてしまう。…
礼節とマナーを学ぶのは価値観の異なる社会集団と友好を築くためであるという話。 本作は設定だけ見ると「女装主人公がお嬢様学校へ潜入」という手垢塗れの粗製乱造品。 しかしそれは見せかけでギャグゲーの皮を被った哲学ゲー。「社会集団における人間関係」を掘り下げる。 お嬢様の歩行技術トレーニングだけでドラマを作れるのは素晴らしい手腕。 複雑な家庭環境を大切にする主人公と彼に生きる意義を見出した月島カラスの交流にはホッコリ。 そして女装主人公ゲーで一番かわいいのは主人公の法則が発動しジュリアが一番かわいいのである。 異なる社会集団が持つ価値観を尊重するということ 価値観の異なる者同士の交流のために…