雨宝院(うほういん)は、北向山雨宝院と号する古義真言宗の寺で、「西陣の聖天さん」として親しまれている。 本堂に安置する本尊「聖天(大聖歓喜天)像」は、821年、弘法大師(空海上人)が嵯峨天皇の御悩平癒を祈願して安置したものとされ、それが当寺の始まりと伝えられる。 観音堂に安置する千手観音立像は、重要文化財に指定されており、また、大師堂の本尊は汗をかくほど辛いことでも助けてくれるという「阿吽あせかき弘法大師像」として知られている。 境内東南には、その水を染め物に用いるとよく染まるとして有名な「染殿の井」があり、夏の旱魃時でも枯れることがない。また、本堂前の「歓喜桜」は、御室の八重桜と同種のもので…