朝、水道管が凍結していた事に苛立ち部屋中のたうち回る。我に返りひっくり返した灰皿の掃除をして、熱狂的朝シャン派の俺は覚悟を決めて冷蔵庫から南アルプスの天然水を掴み、被った。1月下旬の寒さは正月の温もりを完膚なきまでに忘れさせた。 衣装と言う名の使い古したTシャツとヘッドバンドを詰めて、耳をイヤホンで塞いでから忘れ物を確認。オールドスクールを履いて駅まで生き急ぐ様に走った。大抵電車に乗ってから忘れ物に気づく。 下北沢駅の南口を降りて中心街を下っていく。雪の予報が心配だったけど晴天、晴れ男は誰だろう。 いつもより物販が沢山入った大きめの段ボールと機材、そしてメンバーとカメラマンが乗り込んでパンパン…