新型コロナウイルス感染症の治療薬として期待されているアビガンだが、「有効性を判断するのは困難」との国の審査報告書がまとまったとニュースが流れた。実に残念なことである。理由の一つとして治験のやり方が、「二重盲検」ではなく「単盲検」であったことが上げられている。二重盲検とは医師にも患者にも知らせず偽薬投与の対照試験を行い確認する方法であり、一方で単盲検の方は患者には知らせないが医師は偽薬と分かっている確認方法である。当然ながら単盲検の方は医師のバイアスが入る余地がある。 ワクチンの有効性確認では、二重盲検にて試験を行う必要がない。感染したか否かに医師の判断が入らないからである。一方でアビガンの有効…