米国アーカンソー州出身のギタリスト、ロイ・ブキャナンの名が日本のロックファンに広く知られるようになったのは、彼の作品ではなくジェフ・ベックの作品を通じてである。 1975年にリリースされた『ブロウ・バイ・ブロウ』 (Blow by Blow:発売時の邦題は『ギター殺人者の凱旋』)に収められていた「哀しみの恋人達」(Cause We've Ended As Lovers)に“dedicated to Roy Buchanan(ロイ・ブキャナンに捧げる)”の言葉が添えられていたからだ。 もともとこの曲は、スティーヴィー・ワンダーがかつての妻シリータ・ライトのために書いた楽曲で、歌ものであったのを、…