全日本GT選手権(JGTC)が国際化をキーワードに2005年から改称した名前。
スーパーGT(JGTC:JAPAN GT CHAMPIONSHIP)とは,日本のクルマ社会を支援する団体 JAFの公認する年間シリーズ戦のこと.全日本選手権では,年間数レースを日本各地で開催し,参加チームはその成績毎にポイントを得る.その年間トータルのポイントでシリーズ・チャンピオンを決定する.チャンピオンはドライバーの個人タイトルとチームに与えられるタイトルがある.
スーパーGTの決勝レースでは1周3〜6kmのサーキットを周回し,総距離数250km〜500km程度*1を誰が一番速く走り切るかを競う.この250km〜500kmという距離は,フォーミュラ・レースなどのスプリントレース(約200km)と較べるとやや長く,あまりパワーを重視する改造をすると走り切ることができないため,マシンのトータルバランスが問われる難しい距離だといわれている.
また,マシンに積める燃料に制限があるために,レース中に必ず1度は燃料補給のためピットインして再スタートする必要がる.また,運転するドライバーも2人1組と規定されており,必ずレース途中でドライバーを交代しなくてはならない.
このため,単にマシンが速いだけでなく、2人のドライバーのコンビネーションやピットで作業するメカニックたちの腕前、監督のレース戦略も要求されるのが スーパーGTの特徴である.スーパーGTはただのスピード競争ではなく,レーシング・チームの総合力を競う極めてシビアなレースといえる.
決勝レースの前日(土曜日)には、2回の予選が行われる.この予選はサーキット1周のタイムを競うもので,各マシンが規定時間内に計測した最速のタイムを日あくする.このタイムの最も速いチームが翌日の決勝レースで最前列の有利な場所(ポールポジション)からスタートできる.このポールポジションに続き,タイム順に決勝レースのスタート位置(スターティンググリッド)が決められる.
決勝レースで上位入賞したチームには,次のレースでハンデとしてウエイト(重り)の積載が義務付けられる.つまり,レースに勝てば勝つほどマシンが重くなり,不利になっていくことになる.したがって,強いチームとドライバーには,ウェイトハンデを克服する技術とレース戦略が必要とされる.これにより、車種の違いによる性能格差だけではなく,真の実力を問われることになるわけです.また,一定の車種だけが有利にならず,常に競り合いのある迫力のあるレースが展開される.
スーパーGTではGTカーをベースにした車両(レーシング・マシン)でレースを行う.このGTカーは,元々ヨーロッパで大陸間を高速にかつ快適に走るために生み出された車種.したがって,各自動車メーカーはこのGTカーに最も優秀で強力なエンジンやボディやシャシーをつぎ込んだ.このため,GTカーはそのメーカーを代表する高性能スポーツカーとなった.そのGTカーを基にレース専用に,より高性能に改造されたクルマを用いてレースをするのがスーパーGTである.
スーパーGTでは,ベースとなる車両に対しての改造に一定の制限を設け,その実力を均衡させる規定を実施している.これにより常に接近した迫力あるレースが展開され,ベース車両の優劣だけではない総合的なチーム力を問うレースとなっている.
スーパーGTには、車両の最大出力を基準にしてGT500とGT300の2つのクラスを設置してる.GT500クラスは,スーパーGTのトップクラスで最大約500馬力を基準とした車両が分類されている.このクラスの車両は約300km/hにせまる迫力ある走りを見せ,最もハイレベルなGTのレースマシンとして世界から注目されている.GT300クラスは,最大約300馬力を基準とした車両が分類されている.このクラスはパワーが低い分,改造個所が少なく済むため,有力なプライベート・チームが参加し,車両間の格差も少なく,常に激しいレースを展開している.
*1:いままでノンタイトルだった鈴鹿1000km耐久レースが2006年よりスーパーGTのシリーズに組み込まれるため、総距離数は約250km〜1000kmになる