清凉寺(せいりょうじ)は、五台山と号する浄土宗の古刹で、「嵯峨釈迦堂」の名で知られている。 この地には、一説では『源氏物語』の主人公の光源氏のモデルであったといわれる源融(みなもとのとおる)の山荘、棲霞観(せいかかん)があり、融の没後、棲霞寺としたのが当寺の始まりである。天慶8年(945年)に等身大の釈迦像が安置され、これが通称の由来ともいわれている。 その後、インド、中国、日本の三国伝来となる釈迦如来立像を持って宋(中国)から帰国した奝燃上人が、その像を安置するため、愛宕山を中国の五山台に見立てた「大清凉寺」の建立を計画したが、志半ばで没したため、弟子の盛算が清凉寺を建立して像を安置した。 …