スクリッティ・ポリッティ。グリーン・ガートサイド(Vo)を中心としたイギリスのポップグループ。グループ名は「政治的書簡」の意味。 音楽性は時期によって変るが、黒人音楽からの影響を独自の手法で消化するというスタイルは不変にして孤高。浅田彰『構造と力』で言及されたりするなど80年代のカルチャーに大きな足跡を残した。
82年にリリースされたスクリッティ・ポリッティの1st。ずっと手を伸ばさずに来ましたが、一時期、坂本龍一のサウンドストリートの音源を聴いていた際にこのアルバムからの曲がかかっていたのをきっかけに「一度は聴かねば」と思っていました。 日本でのスクリッティ・ポリッティの受容は、このサウンドストリートの影響が非常に大きいと思います。実際、84年から怒涛のように快進撃を遂げるスクリッティ・ポリッティの12インチシングルは、ほとんどこのサウンドストリートで耳にしました。「Wood Beez」の衝撃は本当に大きかったし、その後も立て続けにリリースされたシングルはどれも極上。かつ、グリーンの来日時にはゲスト…
スクリッティ・ポリッティは『プロヴィジョン』をリリースした後一時期音沙汰がなくなる時期がありますが、その前にいくつかの12インチシングルがリリースされていました。これはその中の一つ。91年にリリースされたシングルで、アナログで購入した記憶があります。何とビートルズのカバーなんですね。しかも国内盤のCDが出ていたとは知りませんでした。中古屋で見つけてびっくり。 以前、コーネリアスとテイ・トウワ、砂原良徳の3人でラジオ番組があった際に砂原良徳がかけていたように思いますが、この音源はアルバムにはなっていません。もうひとつシングルが出ているようですがそれは残念ながら未確認。ここでやっぱり失速していった…
スクリッティ・ポリッティを聴いたのは坂本龍一のサウンドストリートが最初でした。『ウッド・ビーズ』のインパクトは大きかったですね。当時12インチシングルを立て続けにリリースして、何しろ音がいい。PVもピーター・バラカンのポッパーズMTVでよくかかっていて、80年代中期はかなり持っていかれた感じです。 近年ミュージックマガジンの80年代ランキングで上位にランクインされて特集も組まれる等、当時の影響の大きさが可視化されて驚くことしきりですが、こと程左様に支持されていたとは俄に信じ難い。てっきり坂本龍一周辺の出来事かと思っていましたので。とはいえ桑田圭祐なんかも当時影響を語っていたりもしたので、ジワジ…
スクリッティ・ポリッティが99年に『アノミー&ボノミー』で11年ぶりに復活した時は驚いたが、これはそれから更に7年経って06年にリリースされた5作目。ホーム・レコーディングで非常に地味な印象があったので手を出さずにきたが、気にはなっていた。ということで中古で購入。 スクリッティ・ポリッティといえば『キューピッド&サイケ’85』。アルバムが出るまでの怒濤のシングル群がリリースされる度に坂本龍一のサウンドストリートでかかり、ピーター・バラカンも自身の番組で一押しで紹介するなど、レコメンドの嵐だった。実際、その音の良さと弾けるようなポップな楽曲は強い印象を残したし、12インチシングルで出れば必ず買っ…
88年作のスクリッティ・ポリッティ3作目。一世を風靡した『Cupid & Psyche 85』は12インチシングルが出る度に坂本龍一のサウンドストリートで紹介され、その音の良さに度肝を抜かれる連続だった訳だが、2匹目のドジョウを狙った本作はさして話題になることもなく、その後フェイド・アウトしていった。 ロジャー・トラウトマンが参加していたり、マイルス・デイヴィスがトランペットを吹いていたりと面子は豪華だが、確かにその後の前進は感じられない。『Cupid & Psyche 85』は最近でも再評価の波がジワリと押し寄せているが、本作についてはまるで歴史から抹消されたような扱いだ。 で、聴いてみると…