サブタイトルは「その男, 彭志維 (ポン・ツー・ウェイ)」。 台湾の大学で教える作者が、そこで出会ったある男の日常を追う。 写真は幾つかのセクションに分けられ、各々(台湾の)地域名がタイトル宜しく付されている。 このことから主人公は、各地を転々とし、稼ぎを家族に仕送りし、時々は地元に戻る生活を繰り返していることが判る。 嘗ては、日本でも多く見られた労務の形態だが、最近ではどうなのだろう。 彼の地では、まだ多く残っているとの示唆だろうか。 所謂、飯場で過ごす彼の横顔からは、家族を養う気概と、同時に言いようのない寂寥が漂う。 一方、地元に帰った時の安堵が垣間見える表情の対比は、なんとも複雑な気分に…