ただ事でないピアノ このThe Art Of The TrioシリーズはVol.1〜5の5部作になっているが、 エバンスのリバーサイド4部作のように、 メルドーを語る上で外せない初期メルドーの傑作アルバム群である。 発売当時、度肝を抜かれたものである。 今更ではあるが、ただ事ではないピアノなのである。 ピアノという楽器のダイナミクスとジャズイディオムの伝統を知り尽くし、 クラシカルな技法も消化して、ジャズピアノの新たな地平を 果敢に切り開いていくような斬新さに溢れている。 テーマの取り方や物語性、正確無比なフィンガリングとリズム、左手の多用、 反復性の魅力など、どれもこれまでに聴いたことのない…