経営戦略論の研究で頻繁に問題となるのが、実証研究における内生性(endogeneity)という問題である。その理由として、内生性は、とりわけ戦略論という経営学の中の1分野が対象とする領域や理論、および戦略論で頻繁に行われる実証研究の方法と深く関連しているという点がある。以下、Hamilton & Nickerson (2003)や、Semadeni, Withers, & Trevis Certo (2014)の論考などを参考に説明する。 それではまず、内生性(endogeneity)や内生変数(endogeneous variable)について理解しておこう。外生性を統計学的な視点から一言で…