褥瘡治療とは、軟膏の種類を変えてみたり、創傷被覆材を変えてみたりすることではありません。 褥瘡を治すには、「なぜ褥瘡ができるのか」、「傷(キズ)が治るということはどういうことなのか」といった、理論的な背景を知っておく必要があります。 まず、褥瘡に限らず、傷を治すのには湿潤療法が適しています。 湿潤療法とは傷を乾燥させずに、湿潤環境(湿った環境)に置くことで治す治療法です。 もちろん褥瘡も傷なので、湿潤治療が適するのですが、褥瘡が外傷の傷と違うのは、 「治療経過中も受傷機転が持続する」というところなのです。 これはどういうことなのかと言うと、褥瘡にはつねに外力(圧迫やずり応力など)がかかり続ける…