「en-taxi」VOL.27(扶桑社、2009年9月刊)への寄稿記事を加筆修正のうえ転載します。 あなたはもうプロなんだから、一円にもならない文章を書いてはいけない。F先生にはいろんなことを教わった、これもその一つだ。もちろんメールや手紙の類はその限りではない、作品としての文章を趣味で書くようになったら、物書きとしておしまいだということ。甲斐のない話になってしまうけれども、一度だけこの教えを破ったことがある。 去年の夏、学生時代の友人と小説を書いて読み合おうということになった。二人ともF先生の下で小説を書くゼミに在籍していた、その思い出話をしていたときのことだった。 フリーライターという少々…