大阪のクラブイベントを中心に活動。早くからその才能に惚れ込み、自らデモCD-Rを作って
配り歩くなどオオルタイチ布教の種を蒔いたイルリメをはじめ、ボアダムスの山塚アイ、
クレイジーケンバンドの横山剣、Shiro The Goodman、岸野雄一、松本亀吉……といった濃ゆい
面々が彼にラブコールを贈っていることからも、その〈あり得なさ〉はご察しいただけよう。
「ごく初期はレジデンツとかパズルパンクスとかみたいな感じで、多重録音して
面白がってたんですけど、たまたまダンスホールを聴いて、なんじゃこ りゃ?! と衝撃を受けて。
感覚がズレてるっちゅうか、そのダサさ加減に衝撃を受けて。訛り方がアホっぽいし、
ダンスホールのMCって変な擬音語というか、合いの手みたいなのが多いじゃないですか。
その節回しが笑けるなーと思って、これって民族音楽や!と」
そんな独自のフィルターでダンスホールはもとよりテクノ、ブレイクビーツ、ジャズ、
エレクトロ、祭囃子……など多彩な要素を散りばめたトラックに、意味よりも語感や
イントネーションの気持ち良さを追求した、何語でもないメロディを乗せて歌う。
それはいわば、オオルタイチ共和国の祝祭の音楽。カラダ中の細胞が思わずダンスし始める、
ヤバイくらいハッピーなドーパミン・ミュージックなのだ。