「小説家の休暇」を読んでいたとき、極めて印象的な言葉に出会った。それがタイトルにある、「ただそこにいるだけで、同時に充実している状態」みたいな表現だ。 確か、舞台芸術について論じている箇所で出てきた言葉だったと記憶しているのだが、その一節を読んだ瞬間、妙にハッとさせられ、ページを読む手が止まったのである。 小説家の休暇 (新潮文庫 みー3-30 新潮文庫) [ 三島 由紀夫 ] posted with カエレバ 僕の解釈が正しいかはわからないが、そのエッセイではまず、「舞台に立ち、役柄を演じる人間は、少しずつその役に毒されていく」という話が語られていた。 例えば、今自分が感じている怒りは、本当…