今も会うたびにこっそり後悔している出来事です(文中敬称略)。 前園真聖は現役時代、いつもギラギラしていた。言葉数が少なく、目力の強さもあって、近寄りがたい雰囲気を常に漂わせていた。できれば話しかけず、取材したくないタイプの1人で、ちゃんと答えてくれるかどうかも分からなかった。 だが2000年の終わり、前園が取材を受ける現場に立ち会うという仕事があった。その年、前園は加藤久監督に呼ばれて海外から帰国し、J2に降格した湘南ベルマーレに加入したものの、昇格を逃し、1年で退団することになった。その退団が決まった後の取材現場の立ち会い。ただでさえ苦手な感じなのに、どんな空気になるのやら——。 ところが現…