1:以下、名無しが深夜にお送りします HACHIMAN「 おれが今日 ここに来たのは 偶然が重なった結果というべきで なにも証しがあったからではない ただ毎夕 鳥たちの喃語に耳を傾け 河底をあるく幾千の死馬の群れを率いたおれらであってみれば やはり単なる偶然ではないのだろう おれらは今日 言葉を減らしに来た 灰の中から凍ったエロースを探り当て 苔の胞子を散らしていく 芽吹くころ おれらは生きてやいないが はやくも 北方の石の名と 春分の正確な複製とが リストから失われていることに気づく おれは今日 詩をうたいに来た 書くことと読むことを問うのだから その力学はおよそ人のものではない ただまばた…