古事記 速須佐之男命 八雲立つ出雲 八重垣妻ごみに 八重垣つくる その八重垣を 意訳 幾重にも雲のわき立つ出雲の地にて、妻との新たな住まいにふさわしい地を見いだし、妻をやさしく包むように、幾重にも垣をめぐらせたいと願いました。 解説 この和歌を詠んだのは、スサノオノミコトでございます。『古事記』や『日本書紀』に登場する、伝説の神として知られる御方でございます。クシナダ姫を妻に迎え、新たな住まいを出雲の地に定めた折に詠まれたものでございます。 時節はおそらく夏なのでしょう。雲一つなき青空に、幾重にもたなびく白雲を仰ぎつつ、丘の上に立つ新婚のふたりの、晴れやかで希望に満ちたまなざしが目に浮かぶよう…