漫画家。1949年5月12日、福岡県大牟田市生まれ。本名も同じ。
手塚治虫の「新選組」に衝撃を受け、漫画家を志す。1969年デビュー。 少女漫画史上、もっとも重要な作家のひとり。繊細な心理描写と流麗な画面構成は数多くの作家に影響を与えた。 シリアスからコメディまで幅広い作品を手がけ、長篇、短編どちらにも非凡な才能を発揮している。 2007年7月より、「萩尾望都パーフェクトセレクション」全9巻を刊行開始。
リスト::漫画家
「プチフラワー」1992年7月号~2001年7月号 ついに萩尾望都最長編にたどり着きました。(『ポーの一族』のシリーズものは除外して) なのに私は本作が苦手でまったく好きとは言えません。とても内容が辛いからです。 嫌いと思うのが正しい気がします。 しかしこの作品をスルーしてしまう、もしくは一回で軽く話すことはとてもできないと思います。 本作で主人公は苦しみ続けたのです。 私も彼の心に寄り添って苦しみを少し舐めてみましょう。 ネタバレします。 とはいえ幾度か読み返した作品でもある。 順に追っていくのではなくできるだけ全体を通じて語りたいと思う。 どうなるかわからないが始めよう。 本作が最大の長編…
1992年「プチフラワー」5月号 萩尾望都を知る上でおすすめの作品は?と問われれば今では本作と『半神』と答えられるのではないでしょうか。 ネタバレします。 この恐ろしい心の内面をここまで面白おかしく描けてしまう才能に圧倒される。 私の好みとしてはあまり読みたい話ではないのは確かなのだけどやはり凄いと感心してしまうのだ。 そして萩尾さんがSF好きであったことが何より救いであったのではないかと勝手に思ったりしてしまう。 なのでこの凄い名作についてはあまり語ることがない。 どえらい作品であるということとおすすめ作品であるのは確かである。
1991年「プチフラワー」11月号 この萩尾望都感想シリーズはウィキペディアと「萩尾望都作品目録」に従って順に追っているのですがここにきて戸惑ってしまいました。 が、ある方の「カタルシスはイグアナの娘の後に描かれていますが」という文を見て「はて?」となったのです。 年表では本作が先で半年後に『イグアナの娘』となっているのですが手持ちの本(『イグアナの娘』)の本作の最後頁に確かに「1992年5月号」そして「イグアナの娘」の最後頁に「1991年11月号」と記載されています。 本が間違っているのか、wikiと作品目録が間違っているのか? ネットユーザーも本で確かめた方とwiki及び目録で調べた方とで…
春の気配🌸 先日・・待ちに待ったこの日 会場には妙齢なご婦人方が溢れています 早くに列に並び最前列 モー様の目の前の席を確保✨ 司会進行役の青島広志さんによる 絶妙なトークと音楽の 1時間半を堪能 少女漫画界の神 萩尾望都先生 至近距離でそのお姿を拝見させて頂き涙 座られたお姿は背筋が伸び凛としたお姿 青島さんによる過去作品の数々のエピソードの 掘り下げ方が素晴らしく望都先生の貴重なお話が聞けました 「残酷な神が支配する」は連載時に辛くて読み進めなかった作品ですが その点も上手に聞き出されてなるほど~とゆう思い 画面に映し出される作品たち 朗読 オペラ 楽曲 先生と なんて贅沢な至福のひと時で…
1991年「プチフラワー」5月号~1992年3月号 萩尾望都バレエシリーズのあちこちに出演しているレヴィ。 ちらりとしか出なくても高いバレエ能力を持ち飄々としたカッコよさの彼です。 そんなレヴィが主人公となった作品です。 ネタバレします。 主人公となったレヴィはまだ17歳の未熟な悩める少年として登場する。 見た目の綺麗さはそのままだが大人になって見せる落ち着きはこの頃にはまだなく思い通りにならない自分自身と他人との関係性にいつも戸惑い苛立っている。 痩せっぽちのレヴィの夢は強くがっちりとした身体と精神を持つことだ。 本作で我々はそんなレヴィの理想を求めて苦しむ様を見ることができるのだ。 不眠症…
1991年「プチフラワー」3月号 これもなにこれえ? のラブストーリーです。 ネタバレします。 要するに最初から最後まで相思相愛で終わると言う。 確かにこれは『ロミオとジュリエット』である。 愛することを「家」に邪魔されたのではなく自分自身に邪魔されているロミオとジュリエットである。 バレエの技術も最高で何の問題もないのに自分たちだけで自分たちの邪魔をしている。 (ロミオがというべきかもだけど) バレエシーンも美しい。
1991年「プチフラワー」1月号 なんだろこれ。今回初読みです。 ネタバレします。 独特の味すぎる。 殺人まである恐ろしい話なのにコメディなのだ。 た、たしかに。 今はどうかわからないが昔はよく映画でも人殺しコメディなのがよくあった。 こうしたドタバタ展開ギャグラブコメは萩尾望都の得意とするものだったけど今現在は「殺人コメディ」って許されないものかもしれない。あったっけ? これはほんとに山岸凉子バレエマンガではありえない? でも萩尾先生も山岸バレエマンガ少しは参考にされているような気もする、ポーズなど。 誰が殺した? スリルとサスペンスそして恋愛とバレエ。しかも白鳥の湖。 ワクワクドキドキの殺…
1990年「プチフラワー」11月号 タイトルからしてシェイクスピア『真夏の夜の夢』からきていることは確かなのだがその中身はぼんやりとしか知らない私が読みました。 ネタバレします。 なのでこの作品と『真夏の夜の夢』がどのように関係するのかはわからないがなんとなくそれほど重なってはいないのではないか。 萩尾望都持ち味の古典とSFを組み合わせるという試みのひとつなのかもしれない。 やはりオークが見どころか。
1990年「プチフラワー」1・3・5・7・9月号 この作品がとても好きで読み返してしまいます。 かなり苦い味わいではあるのですが。 ネタバレします。 主人公のマリオ・キリコは憧れのバレエ団ドミ・ド・リールに入団する。 上昇志向の高いマリオは周囲のダンサーたちが皆劣っているように思え自分こそスターになれると意気込むがドミ・ド・リールが選ぶのは自分ではなかった。 マリオの葛藤が細やかに描かれていく。 自分が一番うまいはずなのに何故選ばれないのか。 マリオは養父母に育てられたがそのことに悩みはなかった。 だが養母が死んだことで実の母の話を聞く。実母が夫(マリオの実父)を殴り殺して7年間服役し今も生き…
「ASUKA」1989年8月号~1991年5月号 初読みです。 これはまた不可思議なSFを。 以前の『モザイク・ラセン』を思わせます。 異世界と音楽と共鳴というものが萩尾ファンタジーの基盤でしょうか。 ネタバレします。 冒頭に家族との確執が描かれますが、それはごく上面部分のみで後はもうほとんど出てこないのはよかった。 いやいやそれより冒頭で語りて的な主人公と思われた十里くんがすっかり出てこなくなってしまうのが謎すぎる。 これはあまり構成を考えずに描き出した、というやつなのかな。それともそういう風にあえて描いたのか。 しかし読んでいくとそんなことはもうどうでもいいとのめり込んでいく。 アベルが全…