常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

smokescreen

ミャンマーで複数政党による議会が開かれます。これは,1962年のクーデターで国会と憲法が廃止されて以来49年ぶりの快挙です。この動きを本日(02/01/11)のDYが取り上げています。
An elected parliament convened in Myanmar on Monday for the first time in half a century, but inspired scant popular enthusiasm due to the widespread conviction it is just a smokescreen for continued military rule.
今回取り上げるのはsmokescreenという単語です。字面通り「煙幕」という意味の単語ですが,上記の英文では少し意味が違います。『オーレックス英和辞典』(旺文社)によると,smokescreenには「偽装,カモフラージュ」という意味がある事が分かりました。この単語は軍事用語なので,今回の記事に使われたのでしょう。
しかし,カモフラージュと言いますと,camouflageやcoverという単語も浮かんできます。これらの違いは何でしょうか。camouflageはフランス語から来ていて軍事用語なのですが,「迷彩柄などを使ったカモフラージュ」というニュアンスがあり,coverは「スパイや探偵のカモフラージュ」という意味なので(英辞郎on the WEB),煙幕などで濁すようなニュアンスを持つsmokescreenとはだいぶ違います。
形式上は軍事政権から民政に国会を移管しているように見えます。しかし,議席枠の大半は軍部に割り当てられているのが現状です。このような背景を知ってしまうと,49年ぶりの快挙といっても手放しには喜べませんね。(ゼミ生 persimmon柿生)