フリーソフトウェアゲーム開発の将来

この手の話が出てくるたびにここに書いている気がするが、まあ興味のあるネタなので。

このアーティクルはくそ長いが、ゲームに直接は関係してないGNUの理念の話などが含まれているのでその辺を読み飛ばすと、興味深かったのは以下の2点。

Creative Computingという雑誌

Even though early personal computers from Commodore, Atari, or Apple came with hard-wired proprietary operating systems, and plenty of software was available only in binary form, countless computer gamers of the 70s and 80s spent their evenings typing in and often learning from source code printed in magazines like Creative Computing.

日本の8bit世代のゲーム開発者の心のふるさとしてベーマガがあるわけだが、海の向こうではこのCreative Computingという雑誌がそれに相当するのかな。

ここに目次と記事概要があるが、どうもマイコン全般を扱っているらしく、ベーマガみたいにプログラム掲載に特化した内容ではなさげね。JR-200のレビュー(http://www.atarimagazines.com/creative/v9n5/16_Panasonic_JR200.php)とか、アップルのディスクプロテクトの話(http://www.atarimagazines.com/creative/v9n7/130_A_laymans_guide_to_disk_.php)とかあって面白い。この雑誌の実物を見てみたいな。

投稿のきまり。

2. Please send us:
A. Program listing (and paper tape, if possible)

すげー、紙テープで投稿を受け付けていたんだ。時代を感じる。

アーティクル内でこの雑誌に触れられているのは、昔はどのマシンにもBASICがあってみんなそれでゲームを作っていたんだけどねーとかいう懐古趣味の文脈でだ。洋の東西を問わず、この辺は同じね。

コードはオープン、アートはクローズ

Another possibility Daniel raised was releasing the code under a free software license, but copyrighting the images, sound files, and storylines of the game.

有名なフリーソフトウェアゲームであるVega Strike(宇宙貿易シミュレーションEliteのクローン)をマネージしている人へのインタビューで、フリーソフトウェアゲームから利益を出すにはどうすればいいかという問いに対して、コードはフリーソフトウェアライセンスで提供し、イメージ、サウンド、ストーリーなどのゲームのアート部分は金を取るというモデルが提案されている。でも今アート部分にコミットしてくれる人がこのモデルでも協力してくれるかは微妙とも。前のエントリでオープンソースとゲーム開発(id:ABA:20040903#p1)について書いたときにコメントをもらったけど、ゲームのアート部分に関して製作者の意図に反した再利用をされたり、それで金儲けをされたりするのには反発があるだろうね。

アーティクルの最後に筆者が考えたフリーソフトウェアゲームで利益を出す方法が述べられている。つってもサーバ課金モデル、パトロンを探せ、というなんのひねりもない提案だ。これらの方法で金をひねり出すのはなかなか厳しいだろうね。