一日一殺

 高校、浪人の頃は大体最低一日一冊本を買って読んでいた。親からもらう昼飯代を本代に充てていた。当時は囲碁にはまりかけていた頃だったので、京都駅の本屋で毎日囲碁の本を一冊買っていたものだ。

 かなりの冊数あったのだけれど、貸したりなんだりしている間に数がかなり減ってしまった。今更ながら本格的な囲碁を再開するにあたって、そのころの蔵書が見つからないのに歯ぎしりする始末である。

 金額的には大したことが無いのだけれど、当時手に入った物がもう絶版で手に入らない。私の棋風を知っている人にとっては意外かも知れないが、私は藤沢秀行の碁が好きだ。当時藤沢秀行の著書を読みあさったのだけれど今手元には殆ど残っていない。

 異常感覚といわれた棋風は、訳の分かっていない私にとっての憧れだった。何が凄いかは未だに理解は全く出来ていないだろう。

 秀行次の一手のシリーズは今でも名著だとおもう。秀行の創造、秀行の世界、囲碁水滸伝、私ならこう打つなどは胸を躍らせながら読んだものだ。

 今更ながら他にも名著だと思うのが、影山先生の「会心の一手」と「必勝の手筋」だ。大学時代から囲碁をはじめて確か二〜三年でアマの全国大会に優勝しプロ入りされた先生だったと記憶している。アマの悪手を明快かつ断言的に断罪するこのシリーズは2〜3級だったころの私には目から鱗だった。

 こういった優れた著書が絶版になっているのは非常に残念に思う。現在の流行はともかく、私が囲碁を始める前ぐらいの囲碁の本は名著が多い。日本棋院にいった帰り、神田の古本屋で囲碁の著書探しをしたが坂田の碁シリーズなども内容は高度ながら読んでいてワクワクする物だった。

 逆に思うのは、10〜20級の方に薦める本がとんと見つからないことである。入門書を卒業した次の段階の書物の作成は長年語られる囲碁界の問題点である。ある程度段階を踏んだ後、一気に楽しくなるのが囲碁である。その間をうまく埋められる書物が出ることを改めて望む。(結局需要が微妙なんだろうなぁ、手間の割に)

 久々にアマゾンを覗いて何冊か囲碁の本を購入した。本筋の部分は研究会で色々と語られるので当面自主トレはヨセに特化しようと思う。詰め碁と会わせて毎日20題ぐらいは解いて丸暗記していきたい。これは手順もだが目数も大きなキーワードになる。盤面をみただけで数字がうかぶようになれば、時間的にもかなり有利だ。

 形勢判断の練習を現在行っているけれど、形勢判断とヨセは大きな関わりがある。そのあたりも含めて勉強していけたらとおもっている。誰かヨセの勉強でオススメの本があったら教えてください。お願いします。