ランカ寺物語


今日はランカ寺(蘭華寺)というお寺に行ってきました。
千葉県香取市にあるのですが、場所がわかりにくすぎます


限りなく茨城県との県境にあって、
地図を見ながら車を走らせたのですが、
迷って迷って…
途中何度も茨城県に突入し、
あっという間に2〜3時間が経過…
夕方5時を過ぎると、外套も何もないためあたりは真っ暗
気分はもう夜中のよう。


「もう無理だ、見つからない、こんなに近くまで来てるのにこのままあきらめて帰るしかないのか。」
誰もが思った頃でした。(正確に言うと私と倫ちゃんが)
たき火をしていたおじちゃんが、迷える私たちをランカ寺へと導いてくれたのでした。
助かりました。ありがとうございます。
「人」という字は確かに支えあってます。




ランカ寺というのは、スリランカのおです。
なぜ、そんなところへ行ったのかというと、
かっこよく言うと「取材」です!!
あら♪カッコイイ♪♪


実は今、ある本の翻訳をしているのですが、
その本のタイトルはズバリ
「がんばろうニッポン」といいます!!
311の大震災直後に危険を顧みず来日し、被災地を訪問したスリランカ人ジャーナリストの方が書いた本なのですが、
その本を日本語に翻訳していて色々なことを知りました。




ご存じの通り、あの大震災直後、日本に住む多くの外国人は一斉に日本を離れました。
各国の駐日大使もこぞって国外避難するその時期に、
スリランカは新しい大使を派遣してきたんだそうです。
そして、もちろんスリランカに帰国したスリランカ人もいますが、
今は日本を離れるべきではないと考えるスリランカ人も沢山いたそうです。
彼らは「これまでお世話になった日本に今こそ恩返しをする時だ」
と考えて積極的に被災地の復興活動・支援活動をして下さっているんです。
そしてそのまとめ役として活動をリードして下さっているのがこのランカ寺なんです。


そんなこと、この本を翻訳しなければ知る由もありませんでした。


このお寺のお坊さん達の名前を正式な日本語表記で知りたかったのと、
このお寺に興味がわいたのとで、
ランカ寺遠足を決行したのであります。
旅は道連れ世は情けで、倫ちゃんを連れて。


ランカ寺に着いたはいいけど、
真っ暗で何も見えないし、
日本のお寺とはやっぱりずいぶん様子が違うし、
建物が閉まっていては何もわからないというピンチ。
でも、
私たちの腹は大体決まっていました。
「ここまできたら、もうピンポーンして開けてもらうしかない!」と。


もう慌てる体力も、
緊張する気力も残っていなかった私たちは、
おもむろに車から降りるとゆっくりと寺に向かって進みました。
まずは、写真撮影。

「へえー、暗くてよく見えないけど、写真にとるとよく見えるぅ!」
なんて倫ちゃんとはしゃいでいると、建物の中に人影が見えます。
オレンジの袈裟を来たお坊さんが歩いている影が見えます。
「おっ、希望が見えてきた」と思った次の瞬間、
今度は希望がドアを開けて出て来てくれました。
すかさず話しかける私。


とても良い方々で、あれよあれよという間に本堂を開けて中に通してくれました。
突然押しかけて、しかも時間外にすみません。

お寺の中には沢山の人がいました。
お寺自体も今回の震災で大きく損傷してしまっているので、修復活動をされている方もいました。
皆さん本当に良い方で、色々な話を聞かせていただきました。
お坊さんから頂いたとても素敵なお話があるので、紹介しちゃいます☆


大きなバッグを両手に下げて歩くと、重くて腕が疲れますね。
そこでそのバッグを下ろしてしばらく休んでから、再びそのバッグを持つと少し楽になります。
それは、そのバッグが軽くなったわけではなくて、腕を休ませてあげたからです。


人間の頭は常に、
過去におこってしまったこと」
「これから先の未来におこるかもしれないこと」
ばかり考えてしまっていっぱいです。
後悔・不安・心配はどんどん大きくなって辛くなります。
だから、頭も休ませてあげなければいけないんです。
腕のように。


でも、頭は他の身体部位のようにストレッチもできないし、
何も考えないというのは無理です。
絶対に何か考えてしまうのが人間なんです。


ではどうするか。
その答えは、
「現在に集中すること」なんです。


例えば、お茶を飲むとき。
最初は5分でいいそうです。
ひとつひとつの現在の動きに集中するんです。
「今、カップを持った、口に運んだ、お茶が口の中に入った、飲み込んだ…」
っていう風に、一つ一つの行為を顕在的に認識しながらお茶を飲むんです。
他のことは一切考えられないくらいに。
そうすることで、脳(心)がリラックスできるんだそうです。


こういったリラックス法は、ストレス社会に生きる現代人には特に必要で、
このお寺で行われている瞑想教室はとても人気があるそうです。
瞑想教室では30分間、自分の呼吸に集中して、過去や未来に関する思考を遮断するんだそうです。


私今まで、瞑想って何も考えないことだと思ってました。
何度も挑戦したことあるんですが、1分も経たないうちにすぐ何か考えちゃって、私には無理だって思ってました。
でもこんな方法があったんですね。
とはいっても、現在に集中するっていうのも結構難しくて、
やってみるとすぐ余計なこと考えちゃうんですが…5分くらいならまずは何とかなりそうです。


皆さんもストレスにやられそうなとき、
試してみてください。


苦労しましたが、ランカ寺に行ったかいがありました。