No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2008年10月2日 くにもと 本店

私が職人の腕を感じるお店はくにもととスタミナ苑。
スタミナ苑は遠いことと行列の関係で滅多に行くことはできないが、くにもとは予約ができるのが嬉しい。
しっかりと熟成された赤身の旨さを味わいにそのくにもとへ。
まずはレバ刺しと赤身刺しから。
レバ刺しはまずまずの旨さ。

赤身刺しは前回を上回る上質ぶり。
これで一皿500円は驚愕だろう。

前回感動的だった'別格'が忘れられずに、今回のお任せも'別格'で注文。
今回の'別格'の内容はこんな感じ。
塩系
 特選サーロイン(淡路牛)
 特選ミスジ(北海道産)
 特選リブロース(北海道産)
タレ系
 特選リブロース(淡路牛)
 特選肩ロース(北海道産)
 特選サーロイン(淡路牛)
 特選ヒレ(北海道産)

当然塩系から焼いていくことに。
サーロインは正直見た目は特選には見えないが、食べてみるとやはり旨い。
ただ、それでもこれで特選か?という疑問はあるが。

細かなサシが入ったミスジはさすがの旨さで、塩ダレがミスジの旨さを更に際立たせている。
赤身の旨さと柔らかなさが印象的なMeatである。

リブロースは巻きの部分であった。
この巻きも旨いことは旨いのだが、若干物足りない気がする。

ここからタレ系に移ってリブロース
タレのリブロースは淡路牛のリブ芯の部分。
サシは少なめで赤みが強い。
このリブ芯からは赤身の旨さが堪能できた。
サシは少なめだが、熟成による柔らかさとコクがあって旨い。

肩ロースはザブトンの部分だが、細かなサシが美しい。
普段ザブトンは脂の甘みを楽しんでいるが、今回のザブトンは脂の甘みは勿論、赤身の風味というか旨さも際立っている。
素晴らしく旨いザブトンである。


塩でも食べたサーロインと同じ物がタレにも入っていた。
こちらも感想は塩の時と同じだろう。

お任せ最後はヒレ
前回のお任せの中で一番印象的だったヒレだが、今回も旨さは格別である。
ヒレ特有の赤身自身の柔らかさと旨みが素晴らしい。
薄切りというよりは若干厚切りだが、それがまた旨みが詰まって絶妙である。
唯一残念だったのは、モミダレが若干辛めだったこと。
前回のヒレのように、もう少し甘めの方がヒレには合うと思うのだが。

お任せで足りるわけはないので、ここから追加である。
上ハラミは素晴らしいサシが入った極上品が登場。
これが本当に旨い。
ハラミ特有の荒々しさを感じる食感と肉繊維を噛み切る毎に出てくる肉汁の旨さが伝わってくる。

上ウデ(近江牛)は店主も『勧めようと思ってた』というほどの一品。
これが確かに旨い。
しっかりと熟成された旨みが詰まっており、柔らかな赤身は噛む毎に旨みを広げてくれる。

〆は冷麺と一緒に上バラ(近江牛)とミックスホルモン。
冷麺と一緒に脂の強いものを一緒に食べるのが好きなのだが、上バラは以外にサシが多くない。
しかし、この上バラの旨いこと。

上ウデもそうだが、今回の近江牛は旨みが非常に強い。
逆に北海道産は若干の物足りなさがあるのが、正直な感想だ。
'別格'は前回には及ばなかったが、全体として満足なクオリティーである。
それ以外の単品も非常に旨い。
牛は生き物なので当たり外れがあるだろうから、これからも通いつめたい名店である。