No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2017年9月6日 焼肉 しみず


“しみず”で会長コース。
「会いに行けるアイドル」ではなく「焼きに行ける会長」を目指しているので、会長コース希望者には可能な限り対応させてもらっている。
会長コースは内容を私が決め、全て私が焼き、うざいウンチクを披露し、食べ方までしていする。
参加者は手出し禁止、口出し禁止、言われた通りに食べるだけ。
後は旨いか不味いか言ってくれれば良いのだ。
この日は諸事情により私は食べれなかったので、焼きとウンチクに徹したが、どうしても我慢できなかった一品だけ食べてしまった。
“しみず”でも初めての仕入れとなる純但馬血統の田村牛(神戸ビーフ)。
普通の田村牛と違い東京の芝浦には出荷されないが、圧倒的な肉質が特徴だ。
血統は照忠土井-福芳土井-照長土井、月齢36ヶ月の雌。
余分な脂や筋を全て削ぎ落とし、ぐる剥きで400g超のサーロインは分厚く、炭火に向き合う断面は芳醇な香りを放ちながらゆっくりと姿を変えていく。
仕上がりは、表面はパリッとしていながら、内部に赤みを残し、それでいて中心が熱い状態。
切り分けた肉の塊に歯を立てれば、ぐぐぐと放たれる濃い肉の味。
そして肉の旨みに絡み合うような脂の上品な甘み。
一般的に世の中に出回っているサーロインの対極にある味わい。
これを食べなかったら後悔してもし切れないだろう。
それほどの極上のサーロイン。
こういった肉を焼けるのは焼き手冥利に尽きるし、それを会長コースとして食べてもらえるのも嬉しい限りだ。