真実の瞬間

真実の瞬間―SAS(スカンジナビア航空)のサービス戦略はなぜ成功したか

真実の瞬間―SAS(スカンジナビア航空)のサービス戦略はなぜ成功したか

顧客が企業を評価するのはサービスを受ける15秒間(=真実の瞬間)であり、15秒間で顧客満足度をあげるには、管理職から現場に権限を委譲する必要があるということ。
これを読んでいて思い当たる節があった。最近、ある会社と当社で共同企業体としてプロジェクトに参画することになったが、その契約書の押印について、当社の決裁プロセスが大変時間がかかる。(総計数十億のプロジェクトだから仕方ないが...)そのことで時間を取らせてしまうことを先方企業にお伝えしたら「構いません。うちは営業判断で先に押印だけ済ませ、決裁は後でまわしますから」と言ってくださった。
当社では考えられない規則違反だが、顧客の立場からすれば、契約書は早く手元に欲しいだろう。真実の瞬間ではないが、自社の制約に顧客を巻き込むのはいかがなものかと思う。書中には「ある点まで顧客の立場で会社を見直し、事業内容をつぶさに確認しなければならない」とあるが、従前の製品本位の社内ルールではなく顧客本位に基づいた社内ルールに変化する時が来ているのだろう。