キンモクセイの盛りがすぎて、小さな花が散り始めました。
濃密な匂いが薄れていくと、だんだん寒くなるはずなのですが、今年はまだ暖かい
ままです。
漢字
小学生に漢字を教えていると、なんだか虚しくなる。
というのも、正しい書き順や部首名を覚えさせても、やがて彼らは携帯やパソコンで文字を
書くようになるからだ。
いったい、どのくらいの人が筆記用具で文字を書いているだろうか。
仕事で何かするとき、とりとめもなく何かを書いてみたり、アイデアを出すことがあると思う
が、そういうときはシャーペンやボールペンなどが実にフィットする。
一方、大量の情報を文字にしなければならないときは、圧倒的にワープロソフトを使って清書
するのではなかろうか。
少なくとも私は、手書きよりはキーボードで入力した方が速く正確である。
若者はキーボードではなく、携帯のボタンだろう。
予測変換機能がついているから、思考の流れが途切れずに、どんどん文字が記入できるのだと
思う。ただし、その予測は自分が一度使ったことのある言葉に限られてしまうけど。
かといって、このまま手書きの文字文化が廃れていくのを座して眺めているわけにはいかない。
特に大人になったとき、字が汚いと恥ずかしくてしかたがない。
結婚式の披露宴で、受付で名前を書かねばならぬときなど、我ながら下手だなぁ、と思う。
せっかくのお祝いの気持ちが無残な形でしか表現できないのは、相手にも失礼だ。
正しい筆順は、美しい文字を書くためにあるのだろうから、やはり子供のうちはしっかりと書き
順を学ぶべきなのだろう。
しかし、部首名は正直どうして教えているのか分からない。
あれはどのくらい共有されているのだろうか。「うかんむり」とか「しんにょう」なら誰でもイメー
ジできるだろうが、「ふるとり」とか「かばね」になると、何それ、という人も多いのではないか。
中学から私立に行った人は、意外とこの手の受験知識を叩き込まれているから、大人になっても
部首名には強いのかもしれない。
私は高校まで公立だったから、部首名なんて一般的(?)なものしか知らずに生きてきたが。
もしかして漢字文化圏の国で、部首名を覚えさせているのって日本だけなんだろうか。
だとしたら壮大な無駄なような気がするんだけどなぁ。