みかんの腐敗プロセス考察
すべて推測。
ダンボールの中での攻防
圧力を受けるみかん。丸印の部分が傷みやすいと考えられる。
経験上、腐った(カビも含む)みかんは横向きの状態で発見することが多い気がするので、横向きだとどのような原因で腐りやすくなるのか考える。
状況証拠
- みかん同士で押し合っていた部分が硬くなる。
- 腐ったみかんの除去作業により手が濡れる。
- カビの生え方は、みかん一個丸々つつむように生える。
内出血説(ダメージ)
外から、ゆっくり圧力が加わると表皮と房の隙間が失われる。さらに圧迫されるとみかん内部で薄皮(房)が破れ、みかんの果汁が漏れ表皮の内側に触れる。表皮は孔だらけなので、しばらくすると果汁は表皮をすり抜け外界の空気に触れる。そこから内外の菌により表皮の腐敗が進む。そのうちカビ菌をもらい表皮を土台に繁殖していくのである。
腐敗本能説(防御)
野生のみかんを想像する。みかんは熟すと種を残すために、地面に落下したいはずである。落下した衝撃により内部で果汁が漏れ腐ることによって目的を達成する。
ところがダンボールの中の場合は、いつまでたっても落下せず腐敗のサインがこない。地面に落下したときの致命的な衝撃がくるまでみかんは待つ。みかん同士押し合った部分の表皮が硬くなる現象は、表皮上のツブツブ細胞から水分が抜けたことによる。一気に腐らずに閾値を超えるまでは、みかんが本来もつ防御機構を使いいざというときまで待つのである。
ひとりブレインストーミングによりでた説をまとめる。
腐敗プロセス
- 外から圧迫を受けた部分は表皮と房の隙間が失われる。
- 圧迫が続くと房から果汁が漏れる。
- 表皮の内側が果汁により傷みはじめる。
- 徐々に外側にまで浸食していき表皮が軟らかい状態になる。
- ジュクジュクした表皮でカビ菌が繁殖する。
二次被害
- 隣り合うみかんはカビの影響により腐敗する(ガス?)。
カビは生えておらず表皮の傷みが10円玉サイズに進行したみかんを単独で一週間ほど放置してみたところ、表皮の腐敗(濁った茶色に変色)は半分くらいに進んだものの、ジュクジュク感は無く、それまでの圧迫がなくなったことにより果汁の漏れが止まり傷むスピードが減速した印象である。ひとつの腐ったみかんによってすべてがダメになる原因はカビなのか、腐敗ガスによるものなのか。今回の考察とは別の話になるとおもう。
結論
以上のことからダンボール中のみかんは表皮内部で果汁がもれない程度の圧迫ならある程度耐えることができるが、定期的に上下入れ替えるなどして圧力を分散させるとよい。
腐敗のあるところ水分あり。うなぎのタレが腐らないのは塩分濃度が高くて菌が繁殖できる水分がほとんど無いからである。
感想
小学生のとき友達とよくわるさをして教師から、「おまえたちは腐ったみかんだ」と本当に言われたことを思い出した。