ScanSnapを買いました

これまでの話の流れで明白なように、富士通のドキュメントスキャナ、FUJITSU ScanSnap S1500 FI-S1500 を購入しました。


ここで多くのブログではいわゆる自炊と呼ばれる書籍を断裁して電子書籍化するワークフローを説明する流れのようですが、逆にそのようなブログはたくさんあるので、ここでは私が使ってみて気がついた項目を挙げることにします。

Adobe Acrobat 9 Standard 同梱

アマゾンさんで購入時価格37,200円でした。昨日の記事でも書いたのですが、MacBook {Air|PRO} を買おうと貯めていたお金に原稿料を足して、貯金をはたいて清水ジャンプです。私のお小遣い事情から37,200円はなかなか痛い値段ですが、Adobe Acrobat 9 Standard が同梱されていたのが決め手です。別環境では Acrobat PRO を使うこともある私ですが、自宅環境でも PDFの編集ができるようになるのが大変にありがたく思いました。ScanSnap付属のソフトでもページの回転や削除、メタデータの入力などできるのですが、トリミングしたりしおりをつけたりしたかったので、それ単体で買うとそれなりのお値段である Acrobat の同梱は購入の大きな後押しとなりました。

小さい

トレイを畳んだ姿は思ったよりも小さい大きさです。購入に当たって未使用時に邪魔になるかなと恐れていましたが、この大きさなら許せます。

速い

これまでにゼロックス、リコー、キヤノンの業務用複合機を使ったことがありますが、それよりもスキャンが速い印象です。これは、それまで使っていたものが紙をひっくり返して片面ずつスキャンするタイプだったことに対して、ScanSnap はセンサを両面に持っていて両面同時にスキャンするためだと思われます*1

用紙厚の自由度が高い

紙のひっくり返しをしないので、紙送り経路が比較的ストレートです。ひっくり返し型では扱えなかった厚いもの、ジャムり易い薄いものに対して強いように感じます。

キャリアシートの発想は面白かった

付箋付きやスクラップブックなどのドキュメントはキャリアシートで挟んで機器に引っかからないようにすればスキャンできます。このキャリアシートを使ったスキャンではA3を畳んでA4サイズにしてキャリアシートに挟み、両面同時スキャンを行ってマネージャソフトウェアが画像の合体をしてA3見開きとして出力してくれます。
これは面白い発想だなぁ。紙の挟み方にちょっと気を遣うけれども。
なお、使わないときのキャリアシートの保管に困りました。グシャってなっちゃったら嫌だし。とりあえずは、中に紙類を挟み込める下敷きというかフォルダというか、小中高生がアイドルの切り抜き入れておいて下敷きにするようなあんなプラスティックのフォルダのB4サイズのものを買ってきてキャリアシート未使用時には収めています。

重送検知は見事

購入前にScanSnapについて調べていて「2枚同時に吸い込まれるとか、斜めになるとか、ほとんどありません」というような記載をあちこちで見ました。しかし少なくともうちのは重送、斜走、ジャムストップ は日常茶飯事で毎日起こってます。ところがこれが気にならないのです。
重送(重なって紙をフィードしてしまう)はセンサで検知してくれます。そしてマネージャソフトウェアがアラートを出してくるのです。「重なり検知したけどどうする?」 前後の成功しているスキャン画像が現れて、この画像は消すとか残すとか対応を促すようになっています。機械単体でやり過ぎない適度なシステムになっていると思います。
他にも「あれ?今の紙送り変だったような?斜め走り?どーしてそぉなるのっ」→ しかしスキャン画像にはとくに問題なし みたいなことになっています。どこまでが機器側処理でどこからがマネージャソフト側処理なのかわかりませんが、トータルで巧いことやってくれているようです。
今現在ひっかかっている問題は、キャリアシートが滑るようになったのか、なかに挟む紙との関係性か、前面と後面の送りに速度差が出てしまってキャリアシートがよれてしまうことに伴い、あるべき速度でスキャン対象が送られないことがあるという症状です。スキャン結果としては紙送りが滞った部分で画像が間延びして同期が取れていないのがありありです。
これはちょっとした工夫で解決できます。
スキャンシートを弱粘着のテープのりで前後面貼り合わせれば大丈夫です。キャリアシート走行には問題ありません。ただ弱粘着とはいえ糊が残ることもあります。貼る場所を吟味してごく少量に留めるようにしましょう。

そのうちに縦筋が出るようになった

マネージャソフトの記録によれば、購入してから5日間で約3000枚ほどスキャンしたようでした。
ときおり筋のついたスキャン結果が得られるようになりました。センサのカバーのガラスに汚れが付着すると生じるようです。ホコリや小さい紙くずが原因だとスキャンしているうちに取れてしまいますが、書籍等の製本糊の残っていたものが付着すると自然には取れることは期待できないかも。
フラットベッドスキャナでは「ガラス面は綺麗にしておきましょう」は常識だと思います。ScanSnapの場合もセンサのカバーガラスに汚れがないに越したことはないということは言えましょう。必要に応じて適宜掃除しましょう。とはいえ正しい掃除の仕方を知りません、自己流です。失敗してゴムローラーなどを痛めてしまうと紙の走行に差し支えるので、自信のない人は手を出さないほうがいいでしょう。at your own risk でよろしくお願いします。

ScanSnapと一緒に購入して装備しておくべきもの

そんなわけでお掃除をしようと考える方は、お掃除用品をScanSnap購入時に合わせて買っておくと良いのではないでしょうか。メーカー純正のサービス用品キットのなかにお掃除用品も入ってるようなので、そちらのほうがいいかもしれません。
私の場合はすでに自宅にあった以下のものを用いて掃除しています。私のScanSnapはS1500で、それ以外の機種はわからないので同じやり方が通用しないかもしれません。ご注意ください。

  1. エアダスター 例:サンワサプライ エアダスター(エコタイプ)2本セット CD-28SET
  2. 無水アルコール 例:無水エタノールP 500ml
  3. キムワイプキムワイプ 12×21.5cm /1箱(200枚入) S-200

電子工作する人はふつうみんな持っているよね?ね?

エアダスターは缶タイプのものを使っています。ホコリを吹き飛ばすのに使います。
スキャンしているうちに紙の小さなクズや紙の繊維ゴミがScanSnap内に付着します。センサ部分を見える状態に開けてエアダスターでホコリの類を吹き飛ばします。エアダスターは調子にのって勢い良く吹き過ぎると変な吹き出しをします(あれをなんと表現したものか…)。そうするとその部分がいたずらに冷えてしまうので、ゴム部分であったりすると劣化につながることもあり注意です。吹き方の練習をして缶を手で温めながらそれなりの強さで吹きましょう。
ちなみにメーカーサイトではエアダスターの利用を推奨していません。変なところにゴミを追いやらないように頑張りつつ、at your own risk でよろしくお願いします。(ScanSnap よくあるご質問 (PFU))

センサのガラスカバーに付着した接着剤系の汚れは、キムワイプに無水アルコールを取り、軽く撫でるのが良いです。
キムワイプというのは「けば立ちがなく、水に溶けにくく、使用の際にパルプくずが出ない」(wikipedia:キムワイプ) 紙製のウエスです。
キムワイプの代わりにふつうの綿棒を使ってしまうと綿繊維が残ってしまったりするのでふつうの綿棒はNGです。キムワイプの代わりに精密機器クリーニング用セーム皮でも良いです。棒の先にセーム皮チップなどが付いているような精密機器用清掃グッズもあります。持っている奴はそれを使いやがれ、羨ましい。

無水アルコールは薬屋さんで買える純度の高いアルコールです。文具王の記事を参考までにリンク 万能クリーナー、その名は「消毒用エタノール」 - ITmedia エンタープライズ しますが、「無水アルコール」と言って買うと文具王の記事のものよりも純度が高いものになると思います。
買うときに「何に使うんですか?」と聞かれることがあります。以前「精密機器の清掃に」と応えたら「あああれいいらしいですね、先日も買って行かれた方がいらっしゃって、ちょっと年行った方だったんだけど、同じようにビデオを掃除するんだとかおっしゃっていて…」と薬局のおばちゃんの話が止まらなくなったことがあるのでみなさんは上手いことやってください。ちなみにヘッドには方向があるのでセーム皮+無水アルコールを使っていても知識無くビデオのシリンダをゴリゴリやらないように。
なおアルコールウェッティ みたいな奴はNGです。アルコール系クリーナースプレイとかもNGです。それらの製品には海藻起因のアレとかアルコール以外のものが入っています。乾くとうっすら白くなりがちです。
なおアルコールはアルコールですがアルコールなので飲まないほうがいいです。揮発性・引火性があるのでそれなりに注意です。ゴムとかプラスティックとか塗料とかを侵す場合があるので不要なところに塗布したりこぼしたりしないほうがいいです。あと手とかの傷に触れるとめちゃくちゃ痛いですから気をつけてください。

アルコールのボトルからキムワイプにアルコールを付けるのに、ハンドラップ があると便利です、が、高いですね。twitterイソジンうがい薬の容器をオススメされました。

あくまでも擦らずに撫でる程度に留めておきましょう。スキャンを続けてきてココぞというときに縦線が出るとがっかりで、人によってはヒートアップしてしまうかもしれません。しかし落ち着いて清掃しましょう。ScanSnapの内部の対象領域は狭いですし、熱くなっていることもあるのでご注意ください。


ScanSnap についてはこんなところで。次回は裁断機について書きます


関連記事リストへ戻る

追記

キャリアシートの汚れと縦筋が気になるようになってきたので買ってしまいました(笑)

*1:業務用機でも両面センサならずっと速いに違いない、使ったことないけど