だから、ロックファンにもっとヒップホップを


先週の土曜日に幕張メッセで開催されたスプリングルーヴ。当日券もありそうだし行こうかな?と思ってたけど最後の最後まで迷って、背中を押すどころか胸板をドン!と突き飛ばされる気分になったのは、日本側の面子に全く惹かれなかったから。このラインナップには、本当に日本におけるヒップホップの深い深い断層を見た思いでした。
確かに「日本でヒップホップのフェスを!」と企画が挙がった時に、あの面子が出るという案も物凄く肯けます。でもこれは、音楽ジャンル的にほぼ浸透、そして成熟したように見える日本におけるヒップホップシーンにおいて、コアなリスナーの心情を慮るあまりに、逆に旧態依然とした業界染みてしまい、現実の音楽シーンを見ていないような気がします
Late Registration Food & Liquor
まずこの二枚のジャケットを見て頂きたい。これは果たして「ゴリゴリのヒップホップ/R&Bファン」と、「あまりブラックミュージックに免疫の無いロックファン」のどちらを向いていると言えるでしょうか?私が思うに、これは明らかに後者の方を向いているような気がします。
アルバムジャケットは、「ジャケ買い」なんて言葉があるように、新たなジャンルの扉を開けてくれる「新趣向への入口」でもあります。つまり、スプリングルーヴにおいて、せっかく門戸はロックファンに開きつつあったのに、主催者側は“安パイ”であるヒップホップを「信念/信条」的に支持してくれるであろう人々の方を向き、ロックファンにはそっぽを向いたというわけです。
まぁソレは「ヒップホップのイベント」としては物凄く正しい。ですが、例えば日本側出演陣として、まぁZAZEN BOYSでも□□□でも、復活したSUPER BUTTER DOGでも良いですけど、ロックバンドを一つ二つ投入すると、客層には一体どういったケミストリーが生じたのか?主催者側にはちょっとでいいから冒険して貰って、その先にある結果を見てみたかった気がします。