シートン俗物記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2018-04-20 晴れ

[]セクハラ福田の話は周回遅れ

こんばんは。福田”手しばっていい?*1”元財務省事務次官テレビ朝日記者に対するセクハラ事件ですが、相変わらずエクストリーム政権擁護の方々が凄すぎでドン引きです。

ソ連中によると、告発した記者はハニトラ*2なうえに、セクハラを受けていたのになぜ記者は役を降りなかったのかと指弾され、テレ朝は部下のセクハラをもみ消そうとしたクソ、だそうです。それぞれが、「ヤカンの穴」*3のように矛盾する話ですが、とにかく政権擁護が出来ればいいので、こういう話が普通にできるのでしょう。“普通の日本人”スゲー。

そのアクロバット言葉の中からは、なぜか福田氏の責任を問うものは薄れていきます。

しかし、このアクロバティックな政権擁護言葉が、むしろテレ朝上層部の最低の言い訳個人特定二次被害懸念理由に「難しい」」にある程度の説得力を持たせているのが皮肉です。


もともと、「#MeToo」の運動は、ハリウッドの大物プロデューサーハーヴェイ・ワインスタインセクハラ告発を受けて、大勢被害者二次被害を恐れて口を噤まざるを得なかったのを、“MeToo”私も(被害者)と声を上げることで告発者の行動を支持しよう、というものです。相談を受けたテレ朝が為すべきは、告発した女性記者を隠すことではなく、その勇気ある行動をサポートすることでした。隠そうとしたテレ朝非難されて当然ですが、もともとの元凶は言うまでもありませんが、福田氏です。

ですから、彼の人の批判無しにテレ朝非難することはできないはずです。遅まきながらもテレ朝告発者を支える姿勢を示しました。一方、福田氏は未だに愚にもつかぬ言い訳を行い*4麻生氏はそれを問題視しないばかりか、被害者軽視発言を行う始末。

「#MeToo運動が全世界に拡がる中*5財務省財務省官僚トップの態度がどう取られるか考えないのでしょうか?


さて、告発者をハニトラ扱いするエクストリーム政権擁護の方々ですが、それほどセクハラが嫌なら担当を降りなかったのか、という意見散見されます。

もう、これは論外ですよね。なぜ、セクハラによって被害を受ける側が辞めなくてはならないのか。これは、女性は夜道を歩くな、の話と同じなのです。8年も前の話にすら追い付いていないのです。


男は夜道で刺されても当然

http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20091202/1259763746


男は性犯罪を防ぐために外出制限されて当然

http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20091203/1259844768


男をルドヴィコ療法に掛けるのは当然

http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20091205/1260004523


「男はケモノ」が「女性自衛」と結びついていること自体差別

http://d.hatena.ne.jp/hokusyu/20091203/p1


女性記者取材に付けたらセクハラを受けるのであれば、女性記者から外すのではなく、セクハラを行う者を除くこと。それが原則ですよね。女性記者が来たら取材を受けなくなる?そんなクソはそもそも役職に就けるべきではありません。

難しいことではありませんよ。単に、相手に敬意を払え、対等の人として見ろ、職務に忠実にあたれ、というだけのことです。


個人的には、おそらく福田氏の被害者はあちこちにいると思いますので*6、その方々が告発者を孤立させないように「MeToo」と応えてくれることを願います。そして、我々がその方々を支援しましょう。

では。

追記:しかし、この一連の動きを見ますと、日本慰安婦問題直視出来ない理由が判りますね。女性に対する人権侵害というものに鈍感すぎるのです。慰安婦問題はMe Too 運動の先駆けとも云えるものなのですけどね。

Black Box

Black Box

*1:「財務省トップ福田淳事務次官セクハラ音源公開!(デイリー新潮)より https://www.dailyshincho.jp/article/2018/04131400/?all=1&page=2

*2ハニートラップの略

*3:貸したヤカンに穴が開いて返ってきた、と指摘すると、「ヤカンを借りていない」「最初からヤカンに穴が開いていた」「ヤカンは無傷で返した」と相互矛盾する言い訳をする小咄 cf:http://toled.hatenablog.com/entry/20070726/1185459828

*4:すでに録音が自分の声であることは認めていますが、全体でみればセクハラに当たらない、と言い訳しています。もちろん、一部だろうと全体だろうとセクハラに該当します。もしかしたら、セクハラではなく性犯罪という自白なのかもしれませんが

*5:Me_Too_Movement については https://en.wikipedia.org/wiki/Me_Too_movement

*6セクハラ醜聞が暴いた「不健全取材」の実態 https://toyokeizai.net/articles/-/217460

2018-03-28 花見日和

[][]佐川国税庁長官の喚問で見えたこと

先日、佐川宣寿国税庁長官(以下、佐川氏と略)が国会証人喚問で召致され、人をくったような発言刑事訴追のおそれがあるので…」を連発して、日本中をイライラさせたのは記憶に新しいところです。

まあ、エクストリーム政権擁護の方々は、「官邸政権幹部からの指示はなかった」との そこだけ立て板に水 証言で浮かれている様ですが、この証言がむしろヤバい事態意味する、ことは考えが至っていない。


佐川氏、改ざん経緯の証言拒否 「刑事訴追のおそれ」

https://www.asahi.com/articles/ASL3W2QMPL3WUTFK001.html


与党「森友」収束急ぐ 「官僚責任」論を展開

https://mainichi.jp/articles/20180328/k00/00m/010/143000c


もし、佐川氏の証言どおりなら、“理財局職員らは特に理由も無く上層部の決裁まで受けた決裁文書を、局長にすら伺いを立てずに勝手判断改ざんし、放置していた”ということになります。

これはつまり、理財局財務省に関わらず、公文書、というものの信頼性を完全に失墜させたことになります。もう、各省庁の出してくる文書類やデータはまったく信用する事が出来ない。

動機がある、と推察されるなら、そのような動機の生じないものはある程度信頼が置けるかもしれません。しかし、佐川氏は動機については触れずに、改ざんは局内で行われた、と明言したわけです。だとするならば、他の公文書類に関しても同じ事です。

だって改ざんするのに理由必要無いのですから。それも、朝日のすっぱ抜きが無ければ放置されていたのです。


別のケースで考えてみましょう。ちょっと前には、日本の鉄鋼・アルミメーカー品質検査データ改ざん話題となりました。

ここにおいて重要問題とされたのは、誰の指示でという以上に動機構造問題でありました。上層部からの過剰な要求が、現場において面従腹背な態度を生み、結果、裏マニュアルとして品質検査の手抜き、データ改ざんを生んだ。担当社員らが勝手にやった、上層部承知していなかった、というのは通用しません。当然ながら上層部は相応の責任を取る必要がありますし、そうでなければ信頼を取り戻すことは出来ないでしょう。


神戸製鋼信頼回復不退転山口次期社長 不正謝罪

https://mainichi.jp/articles/20180317/k00/00m/020/087000c


それを部下が勝手にやったことだ。自分承知していない。などとやればどうなることか。普通炎上必至でしょう。

それをやらかしたのが安倍政権であり、佐川氏、なのです。


政府機関全般における信頼性を損なうことは見えていないようで、

佐川氏の勝ち」

などと脳天気なことをいう御仁も現れる始末です。


自民幹部佐川氏の勝ち、昭恵氏呼ぶ必要ない」

https://www.asahi.com/articles/ASL3W5HPHL3WUTFK01W.html


クソウヨは「いつまでこんなことを続けているのか、もっと重要問題があるのに」

みたいなことをほざいてますが、この問題が騒がれたのは一年以上前のことです。

地道に問題を掘り下げて明らかにした方々によって、ようやく国会の場に出ても、木で鼻をくくったような答弁をし続けたのが安倍政権および与党の面々です。一年以上たってようやく朝日新聞によって「公文書改ざん」が明らかにされたために、ようやく問題が問えるようになったのです。それだって最初は「証拠を出せ」とガセ扱いする始末。


ほぼ週刊 まこと通信

https://blogs.yahoo.co.jp/toyonaka_kimura


森友文書財務省が書き換えか 「特例」など文言消える

https://www.asahi.com/articles/ASL317533L31UTIL060.html


あのスクープが無ければ、役所内での決済後の公文書改ざん、という犯罪行為が日の目を見なかった可能性は高い。

そのことに対する問題意識反省も無いわけです。

安倍首相はしきりに自らの責任について語りたがりますが、その言葉と裏腹に、どう責任を取るのか、については口を噤んでいます。なんというヘタレか。


首相文書改ざん陳謝 自民党大会

https://www.asahi.com/articles/DA3S13420551.html


さて、本当に「官邸政権幹部からの指示はなく、理財局職員らが特に理由も無く勝手にやったこと」なのか。まあ、そんなわけはありませんよね。

職員らには動機がありませんし、そういう話であるなら、政権幹部らが積極的にネグり続ける必要がありません*1職員らの責任を問うてオシマイの話だったはずです。つまり、去年のうちに済んだのです。それどころか、政権幹部らは朝日新聞スクープが無ければ、問題存在さえ認めなかったわけですから職員らが勝手にやった、というのは無理があります。

「指示は無かった」という筋書きに固執した場合でも、それならば問題他者から一年以上に渡り何度となく指摘されても認めず、確固たる証拠を突き付けられるまで解決に着手しなかった、という「無能さ」から政権には総退陣してもらうほかありません。他にこんな「無能」な方々に責任を取って貰う方法あります?


もう一つ政権関与が疑われる理由があります。それは、他にも同じ構造問題ゴロゴロしているから

加計学園問題しかり、裁量労働制時間外労働に関する不適正データ問題山口某によるレイプ事件もみ消し、NEDO補助金不正利用問題陸上自衛隊日報隠ぺい・改ざん問題、古いところならNHKディレクターらへの圧力etc

直接ではなく、婉曲的に仄めかすように圧力を掛け、自らの関与が見えないように小細工する。こんな厭らしい手口が相次いでいるわけで、その利害関係の中心にあるのが安倍氏や側近の存在なのです。であれば、各文科省やら厚労省やら警察庁やら経産省やら陸上自衛隊やらNHKやらの個別問題、とされるより、それを繋ぐ筋書きの方が合理性がある。


政権擁護のアクロバティック芸を見るのも“もう飽き”ました。いい加減、問題解決が進むことを願います。

では。

*1:籠池氏が問題、というクソウヨもいますが、であれば、問題が指摘されてから散々放置されたことに理由が付かない

2018-03-21

[]天涯無限 書評

だってアルスラーン戦記アルスラと略す)」についての思い出を語りましたが、最終巻「天涯無限」を読みましたので、少し感想を。

いや、結構な「皆殺しの田中状態ちょっと趣は「タイタニア」と似た感じですね。「タイタニア」は著者が「途中で行き詰った」と漏らしているので、斬って捨てたかな、と思っていたのですが、アルスラも結構死屍累々です。マヴァール年代記にも被るかもしれません。個人的には、アルスラのモチーフとなっている「王書」中の最大の英雄のあの人が登場して感動です。


以下、ネタバレ注意

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[]銀河巾幗英雄伝説

田中芳樹銀英伝 アルスラーン戦記 創竜伝

前回エントリーでさんざん「田中芳樹愛」を語らせて頂きましたが、やはり触れないわけにはいかないでしょう。銀河英雄伝説

銀河英雄伝説」ですが、刊行1982年、ということもあり、色々とツールガジェットなどで「古いなあ」と思わずはいられないことがあります。

とりわけ、住居や社会インフラの発展しなさ加減はスゴイ*1

田中氏はエッセイで「未来宇宙舞台歴史モノを再構築する」ことを目指した旨述べており*2、その面から云って、ガジェット類が古く感じられることは些細な問題でしかないわけですね。

例えば、現在技術進展から考えて、超光速航行可能とするような未来社会人工知能実用レベルではないことはあり得ません。戦術戦略用の人工知能ラインハルトヤンも超えるでしょう。ですが、それでは好敵手同士の戦いは無くなってしまうわけです。ですから、この世界には有効人工知能存在しない、そういう舞台を用いたわけです。実際、内容自体は未だに古びたところがありません。


しかし、社会制度や人の意識などは現在のものキャラクターに活かした方が、もっと面白くなるかもな、と思うところもあります。

例えば、主人公の幾人かの性別を変えるとか。ラインハルトキルヒアイスは、女性キャラの方がグッと話に膨らみが生まれるのではないでしょうか*3

ラインハル子・フォン・ミューゼル(仮)とジークフリー子・キルヒアイス(仮)ということにして進めますと


姉の宮廷での権勢を背景に士官学校に特例として入り、若輩で美貌の女性ということで二重に侮られつつも実力で軍内部の階級を駆け上がるラインハル子(仮)。そのラインハル子(仮)に憧れて従い、共に覇道を目指そうとするキルヒアイス皇帝の寵愛を背景に強かに宮廷を牛耳り、権力を手に入れようとするアンネローゼ。さらに、ラインハルトライバル視しているヒルガルド。

とか云う方がキャラも立つような気もします*4

さらに、ラインハルトに従う提督たちも、その実力を認めつつ心密かに魅かれる、とか。それってベルばらか。


同盟側は、その国是から云っても、もっと女性登用が進んでいても不思議ではないのですが、ヤン女性にすると、微妙キャラが立ちにくいので、男性のままの方が面白いか?かわりに、ローゼンリッターを“女性がメインの白兵戦闘団”にするとか(まさに、ヤン・レディジェネラルズ(楊家将演義)!)、シトレ元帥やビュコック提督、レベロやホアンあたりは女性キャラの方が断然面白いと思う。


いや、自分二次創作すればいい、という意見もありますでしょうが、私が書いてみると、キャラ勝手に動き出し、イゼルローン要塞攻略後の大遠征ヤンが阻止してしまうのです。

どうやって、大遠征を止めるのか?それは、

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*1:とはいえ、刊行当時にこうした技術発展を考慮しているのは素晴らしいです

*2講談社文庫書物の森でつまずいて…」中、アイザック・アシモフの「銀河帝国興亡史シリーズ」評にて

*3:当然、「薬師寺涼子シリーズ」が念頭にあります

*4道原かつみ版「銀河英雄伝説」では、フェザーンルビンスキールビンスカヤになっていますね

2018-03-08 大雨

[]ご挨拶

今年もエントリーが遅くなりました。ネタは幾らでもあるので、今後、ヒマが出来れば載せていこうと思います。

[][]「裁量労働制」の背景にあるもの

ちょっと、知人よりこんな話があるんだけど、と廻ってきたのですが、内容に戦慄したので紹介しようと思います。

社長さん向けの「労働時間残業代トラブル予防」と銘打たれたセミナーのチラシです。

f:id:Dr-Seton:20180308193345j:image:w640

タイトルからすでにイヤなものを感じますが、内容を読むとジワジワときます。

1の「労働時間管理方法で予防する」は、まあいいのですが、2の「未払残業代を予防する」から、少し違和感が湧きます。

“未払残業代請求を「商売にする人」が増加”

そうなんですか?私の知る限り、未払い残業に対してようやく声を上げることが出来る人が出てきた、という話だと思っていたのですが。しかも、大半は未だ泣き寝入り状態で、声を上げる事が出来るようになったのも、人手不足を背景にした相対的立場の上昇によるものが大きいと思ってました。「商売にする人」って根拠あるんですかね?

しかも“未払残業代請求する労働者のタイプとは?”ですって!!

これ、思いっきり偏見入ってますよね。請求する人を排除する気まんまんです。

タイムカードなどの証拠書類の流出を防ぐ”

これ、タイムカードがあってもサビ残を防げない、という批判を裏付けるような話ですよ。

キチンとした労務管理では無く、証拠隠滅のすすめ、ということです。

もちろん、労務管理で、キチンと労働時間管理し、未払残業を減らす/防ぐ教えを説く、というセミナーであるのかもしれません。

ですが、下の方にさりげなく一般社員の方はお断りさせていただいています」

ですからね。

真っ当な労務管理ならば一般社員に聞かれてマズイということは無いでしょう。

そうではないことを示唆しているように思えます。

参加費は一人10,000円。

こうしたセミナー需要がある、と主催者が考えること自体が、日本企業経営者メンタリティが真っ当な労働環境改善ではなく、いか労働権利を封じ込めるか、に置かれていることの傍証となっています。

裁量労働制についての意義を説く方々がいらっしゃいますが、為すべきは裁量労働制の是非ではなく、企業経営者労働者権利労働環境を守ることの意義を訴えることではないかと思います。それが達成されて初めて、裁量労働制というものの是非に踏み込めるのではないでしょうか。

では。

2017-12-27 晴れ

[]原子力ゾンビ国家ニッポン

先日、NHKで「脱炭素革命の衝撃」という番組が放映されました。


激変する世界ビジネス “脱炭素革命”の衝撃

https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2017082982SC000/


パリ協定発効から世界の動きが大きく変化し、脱炭素CO2)≒再生可能エネルギー(再エネ)市場の拡大が進み、今や脱炭素目標としない企業投資先にも選ばれない、という“衝撃”的な内容でした。とりわけ、日本先進技術保有していながら、人々の(とりわけ政府の)認識が遅れているために、自己認識とは異なり、世界趨勢から取り残されていることが示唆されます。


ですが私が驚いたのは、ネットにおけるこの番組に関する関心の薄さ、というか無関心を装った態度です。

例えばはてなブックマークだと2つしか反応がありません。はてなブックマークでは「再生可能エネルギー」に関してネガティブネタには極めて多くのブクマが付きますが、世界趨勢を示すような記事には大した数の反応がありません。現実から目をそらすのが好きな方が多いようです。


twitter検索して見ると、そこそこリアクションがありますが、こちらではNHKに対して「偏っている!」的なコメントを見る事が出来ます。思わず笑ってしまいました。

なぜなら、NHKだけでなく、すでに日経新聞も、日刊工業新聞もこのネタを取り上げているからです。


脱CO2、先頭から脱落 環境後進国ニッポン 再生エネ普及で差

地球温暖化対策評価する複数指標で、日本は数値の悪化が止まらない。世界で急激に進むパラダイムシフトから取り残され、太陽光や風力といった再生可能エネルギーの普及や産業構造の転換が遅れているからだ。優れた省エネ技術公害対策などで「環境先進国」といわれた日本自画像は大きく揺らいでいる。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO21864180U7A001C1SHA000/


再生エネ後進国日本#01】“生態文明”掲げリーダーに躍り出た中国

日本再生可能エネルギー後進国なのか―。最近、このような論調が目に付く。化石資源依存しない“脱炭素社会を目指す「パリ協定」が2015年末に採択されると世界各地で再生エネの導入が加速され、中国再生エネのリーダーとなった。対照的日本では再生エネの弱点ばかり指摘され、世界から取り残されはじめた。日本再生エネ大量導入の道筋を探る。

https://newswitch.jp/p/10920


国際エネルギー機関IEA)でさえ、世界的に再エネ拡大が進んでおり、特に中国が「再生エネで疑いなく世界を主導している」と述べています*1。手前みそで申し訳ありませんが、私も数年前から同様のエントリーを載せております。


再生可能エネルギーはもう終わり(日本では)

http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20150906/1441513698


再生可能エネルギーはもう終わり(日本では)回答編

http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20150909/1441799763


どの記事でも同じです。日本政府が本腰を入れて再エネ導入を大幅に拡大する方針を立てないことが、(日本における)再エネのコスト低下を阻み、普及が進まないことを指摘しています。というか、どちらかというと、日本政府(や電力会社)は再エネをオミットしているフシが見受けられます。


送電線に「空容量」は本当にないのか?

http://www.econ.kyoto-u.ac.jp/renewable_energy/occasionalpapers/occasionalpapersno45


おそらくは、原子力を維持する言い訳のためでしょう。

世界趨勢においては、すでに再エネのコスト石炭火力を下回り、太陽光発電風力発電コスト安を争っている状況です。原子力はまったく太刀打ち出来ていません。


英への原発輸出政府支援を」 出資集まらなければ中止も 日立社長

https://www.asahi.com/articles/DA3S13279736.html


東芝を潰しかけたのがアメリカでの原子力事業であるのは既に知られているところですが、日立イギリスでババを引かされかけています。日本政府はこの原子力事業債務保証を付ける方針です。原子力海外では不良資産扱いなのですね。

日本国内でも、大飯原発廃炉申請されました。


大飯1・2号機の廃炉を決定 大型炉、福島第一以外で初

(前略)関電は今回、原子力規制委員会審査クリアして運転を最長20年延ばしても安全対策費がふくらみ、採算が合わないと判断した。

 2基の炉は特殊構造をしており、安全対策技術面でも難しいとされる。安全対策費は1基2千億円ほどにふくらむ見通しだった。(後略)

https://www.asahi.com/articles/ASKDP61Y5KDPPLFA00M.html


安全措置に掛かる費用考慮したら、“割に合わない”から、だそうです。40年超(60年)の運転で割に合わない、ということは、いわゆる“原子力は安い”の根拠が崩れていることを示しています。原発コストは40年の運転計算されています*2。それが60年まで延ばしても割に合わない、とすれば実態計算根拠合致していないのです。

原電も潰れかけています。


原発パイオニア」窮地 原電、全基停止で経営危機

https://www.asahi.com/articles/DA3S13288210.html


各電力会社からの助力が無い限り原電は潰れるでしょう。各電力会社も金を出すことには消極的で、政府の助力を望んでいます。

以前、再エネに関して


the_sun_also_rises 自由競争により再生可能エネルギーが他を上回るなら誰も反対しない。僕らは人為的相場無駄を指摘しているだけ。今は人為的供給率を上げている。その状況と人為的操作が切れた状況を混同して議論しても無意味

http://b.hatena.ne.jp/entry/265107079/comment/the_sun_also_rises


と書いていた人がいましたが、現在、息をしてますでしょうか?

それでも政府原子力の維持も低めの再エネ導入目標撤回する様子はありません。もはや、自分達が死んでいるのにも気付かない「原子力ゾンビ」とでもいう状態です。


ただ、現実容赦なく迫ってきます。世界マネーの流れは再エネ市場に流れ込み、それに消極的企業や国からは引き上げられます。


「脱炭素革命の衝撃」では、洋上風力発電開発に取り組む技術者が、日本世界趨勢から取り残されている事実を指摘され、悔しさで涙ぐむ場面がありました*3現実に直面する、とはそういうことです。

未だに「再エネは高い」だの、「不安定だ」だの云っているゾンビどもは、現実を受け止めた方が良いと思いますよ。ご自慢の「スゴイ日本!」の技術的優位性が完全に失われてしまう前に。

では。

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[]伝説香港九龍城に住んでいた日本人 って

マニア、の吉田一郎さんじゃないの。


伝説無法地帯香港九龍城にただ「物件が安い」という理由で住んでいた日本人 #激レアさんを連れてきた

https://togetter.com/li/1183801


国マニア 世界の珍国、奇妙な地域へ! (ちくま文庫)

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*1日経産業新聞2017,10,5

*2:このほか、設備稼働率が高めに設定されており、実績には合っていない

*3番組で指摘されているのは、日本が高効率石炭火力の輸出を進めることに対する批判でしたが、なぜ、日本が高効率石炭火力の輸出、などに力を入れるかといえば、CO2排出抑制に貢献したという言い訳と、再エネ技術輸出に力を入れたくないからです。再エネ輸出に力を入れるためには国内でも導入拡大を方針に定めなくてはなりません。これは事実上原子力必要性競争力を失わせるためにやりたくない。なので、原子力石炭火力を官民一体で売り込むわけです。この目論見が見透かされているために、世界中から痛烈な批判を浴びることになる。