日本医師会の転進


レセプトオンライン化義務化への対応に関する通知が日本医師会から末端会員向けに先日出てました。閣議決定に「原則」を明記させたので完全な義務化ではなくなった,と戦果を謳ってはいますが,勝利宣言するにはさすがに苦しいところです。具体的な対応指針を読むと対応できるところは順次対応するように,ということですから結局のところ義務化は既定路線でしょう。

まあ医師会としても義務化反対を掲げてきた建前上,会員の反発も考えると具体的な対応について言及したくてもなかなかしにくかったんでしょうけど,あまり期待を引っ張ってもあとで混乱するのは目に見えてますからこのあたりで「俺たちも頑張ったんだからお前らも我慢しろ」路線に転進するのが賢明という判断でしょうか。

そこまで含めてシナリオ通りなら「それでも医師会なら何とかしてくれる」と信じてきた先生方にしてみればいい面の皮ですが,実際のところは大部分の会員が冷めた目で見ているようにも思います。それにしても,ここまで厚労行政に従順な対応をしているのに世間的には相変わらず抵抗勢力扱いされているというのも考えてみれば報われない話ですねー。



 

介護認定審査委員会その後


今月あたりは介護認定審査も完全に新基準に移行してますが,1次判定を覆してより適切と思われる要介護度に修正する作業が相変わらず厄介です。苦労しても結局は移行措置で前回と同じ介護度になるケースが多いとなると,手っ取り早く1次判定を追認するのが正直楽には違いありません。ただ,追認するケースが多ければ1次判定が適切であるという結果を支持することになるわけです。厚労省にとっては好都合なんでしょうけど…。もし利用者の利益より自分たちの業務が楽になるほうを優先するような人間を想定してこういう措置にしたのであれば「あなたとは違うんです」と言いたいところです。