バイオマスの賦存量
日本のバイオマスの賦存量(ふぞんりょう)はどれくらいあるのでしょうか?
賦存量(ふぞんりょう):ある資源の潜在的な存在量。例えば,ある地域の水資源賦存量は,降水量から蒸発量を引いて,その地域の面積を乗じた値になる。一般に資源の利用可能量は,これより小さい。
「バイオマス・ニッポン総合戦略」ではバイオマスを下記の3通りに分けている。
1.廃棄物系バイオマス
2.未利用バイオマス
3.資源作物
これらの賦存量は原油換算で年間約2000万キロリットルと計算されている。
ちなみに、日本の年間エネルギー消費量を原油換算すると約4億キロリットルとのこと。原油輸入量は約2億5000万キロリットル。そのうち農業での消費は全体の2%(約800万キロリットル)とのことですから、農家、農村を含めたエネルギー消費量の大半はバイオマスでまかなえるかも知れませんね。
■まとめ
エネルギーの年間消費をザクッと原油換算すると
日本の年間エネルギー消費 : 4億キロリットル
原油輸入量 : 2.5億キロリットル
農業での消費 : 800万キロリットル
バイオマス賦存量 : 2000万キロリットル
ということである。
農業だけならなんとかなるでしょう。
我が国の産業部門、民生部門、運輸部門を合わせたすべての年間エネルギー消費量はおよそ37×1014 キロカロリーといわれています。これを原油の量に換算すると、4億キロリットルもの量になります。エネルギー消費における石油依存度はその半分くらいで、エネルギー用途以外も含め、実際には年間に2億5千万キロリットルの原油が輸入されています。
【中略】
農業の消費は全体の2%
農業全体を見ると、最初に紹介した我が国のすべてのエネルギー消費の2%くらいになり、内訳は図のとおりです。これは、食料生産の重要性を考えると、けっして多くはないと思われます。ただし、石油依存度が90%以上もあり、他部門に比べ非常に高いことが問題点として指摘されています。今後、ますます生産の効率化や自然エネルギーの利用による石油消費の低減が求められています。
2 我が国におけるバイオマスの賦存量
(1)バイオマスの種類と賦存量・利用率
「バイオマス・ニッポン総合戦略」においては、バイオマスを①廃棄物系バイオマス、②未利用バイオマス、③資源作物の3つに区分している。2006年12月時点で把握できる最新データに基づき、バイオマスの賦存量及び利用率を整理したところ、廃棄物系バイオマスの賦存量は2億9800万トン、利用率は72%(2010年目標80%)、未利用バイオマスの賦存量は1740万トン、利用率は22%(2010年目標25%)となっている。なお、エネルギーや製品向けの作物として生産される資源作物としてのバイオマス利用はほとんどない。
廃棄物系バイオマスと未利用バイオマスの賦存量のうち、未利用部分のエネルギーポテンシャルは、約530PJ(原油換算1,400万キロリットル)と試算され、さらに、資源作物のエネルギーポテンシャルは、約240PJ(原油換算620万キロリットル)と試算されており、国産バイオ燃料の大幅な生産拡大を図るためのポテンシャルは十分にあると考えられる。
出展:バイオマス・ニッポン総合戦略推進会議