Davidson,Diane(ダイアン・ダヴィッドソン)


a■■■Baby('71)
b■■■Backwoods Woman('72)
c■■■Moutain Mama('72)
巨漢の女性スワンパーとして紹介される事が多い、ダイアン(ディアン)・ダヴィッドソンですが、Janusに残した3枚のLPは未CD化のままです。71年のデビュー盤がaで当時19歳だったらしいですが、随分なぽっちゃりさんです。ナッシュヴィルのシンデレラ・スタジオというとエリア・コードの連中のホームグランドで、ここにもケネス・バトレー(ds)、チャーリー・マッコイ(b.g)、マック・ゲイドン(g)、ティム・ドラモンド(b)、ジョン・ハリス(kb)らが参加しています。いわゆるカントリー・ロック的な音ではなく、都会的な女性voなイメージがあって、すでに2枚目(この「Backwoods Woman」が出会いの1枚でした)3枚目を聞いてただけに意外です。ルルがマッスル・ショールズで録音したアルバムでも感じた事ですが、南部産のミュージシャンのバッキングがすなわち南部的な音というわけではないです。もちろんそういった曲"60 Minute Woman"もありますが、ストリングスのarrがソフィスティケートされててびっくりする"Just How Different Am I"や"Trying Times"、"Clowns Exit Laughing"(これはジム・ウェッブの作品)は素晴らしいです。"Until I Get Back Home"でのharmonicaはマッコイでしょうか。ラストの"We Have Seen The Sign/Coming To Take You"は、ゲイドンのvo(ここ以外はすべてコーラスなどダイアンのvoをダビング)もフィーチャーされてますが、強烈なゴスペル臭を感じます。順序が逆になりますがこの人を初めて聞いたのがb。"Delta Dawn"で開けるこれまた南部産のカントリー・ロック。ゲイドンを大きくフィーチャー。エルトン・ジョンの"Country Comfort"のカヴァーあり。72年のcは、ジャクソン・ブラウンの初期作品"Something Fine"と"Song For Adam"をいち早く取り上げている事。リック・ダンコが"Sip The Wine"の名前で発表したティム・ドラモンド(本作でも参加,bを弾いてます)作の"I Want To Lay Down Beside You"のカヴァーが楽しい。

Davies,Alun(アラン・デイヴィーズ)

[rakuten:auc-euclid:10006302:detail]
■Daydo('72)
元スウィート・サーズデイで、キャット・スティーヴンス・バンドのデイヴィーズの72年のソロ。バックにはジェレミー・テイラー(ac-g)、キャット・スティーヴンス(p)、ジーン・ルーセル(kb)、ラリー・スティール(b〜ゴンザレス)、ハーヴィ・バーンズ(ds)が参加しています。prodはスティーヴンスとポール・サミュエル・スミスで、音の方はデイヴィスの歌声を含め、キャット・スティーヴンス的なものです。特に"Old Bourbon"や"Portbello Road"の感じは間違うくらい。"I'm Gonna Love You Too"はブロンディーもやってたノヴェルティなナンバー。英国的な湿り気が多くて初秋的なナンバーが並んでるけどベストは"Vale Of Tears"かな。

Davies,Ron(ロン・デイヴィーズ)

サイレント・ソング(紙ジャケット仕様)

サイレント・ソング(紙ジャケット仕様)

a■■Silent Songs Through The Land('70)
b■■UFO(')
ルイジアナ出身のssw。aは70年A&Mからのリリース。マイク・ディージー(g)、ラリー・ネクテル(org)、ジム・ケルトナー(ds)、チャド・スチュワート(b)、リオン・ラッセル(p)ら当時のLAの腕利きスタジオ・ミュージシャンがバッキング。1曲目がスリー・ドッグ・ナイトからデイヴィッド・ボウイ(「Ziggy Stardust」)、デイヴ・エドモンズまでとりあげた"It Ain't Easy"で、これがかなり辛口のブルーズな為、全編そういう内容かと思われますけど、そうではないです。アカペラで歌われる"The Clown"や、ゴスペル臭のあるタイトル曲、意外と親しみやすいメロディーの"Change"がいいです。僕が知らないだけで、マリア・マルダー、アン・マレー、ドビー・グレイ、ジョー・コッカー、ジェリー・ジェフ・ウォーカー、NGDBらがデイヴィーズの作品を取り上げています。彼の存在を知ったのはキングからアルファに発売権が移った79年頃に廉価シリーズでセカンドのbが紹介された時でした。

Davis,Jesse Ed(ジェシ・エド・デイヴィス)

ジェシ・デイヴィスの世界

ジェシ・デイヴィスの世界

a■■Jesse Ed Davis('70)
b■■■Ululu('72)
c■■Keep Me Comin'('75)
オクラホマ出身のネイティヴ・アメリカンのgtr。アルコール問題を抱えたクラプトンの代役(結局は事なきを得て出番は少なかった)としてバングラディッシュのコンサートに起用されたり、ジム・パルト、ロジャー・ティリソン、ジーン・クラークのスワンプ風作品をprodしたり、必殺のスライドgを披露したりと通ごのみの人。タジ・マハルのバンドで名を売って、クラプトンに見出されてデビューしたaは豪華ゲスト参加のものだけどややとっちらかった印象。逆にbは日本では名盤探検隊のブームで、洋楽ファンの間でエリック・カズの1枚目と共に信じられないセールスを
記録したもの。ダック・ダン(b)、ジム・ケルトナー(ds)、ドクター・ジョン、リオン・ラッセル(kb)をバックにした濃厚なスワンプ・サウンド。cはバンド名義ながら内容は同じ。よりゴスペル、レゲエ色が濃い。