Rainy Day Man / Bonnie Raitt
雨の歌#11
ジェームズ・テイラーのアップル時代の曲のカヴァー。この曲が入ったボニーの4枚目「Streetlights」(’74)は、LP時代には日本未発売で(そもそも大傑作の2枚目が「ボニー・レイット登場」で紹介されてから、75年の「Home Plate」まで出なかった。3枚目の「心ゆくまま」は来日記念盤として77年にリリース)、そのジャケットからして地味な印象を受ける。前作までのブルーズとフォークの中間をエレクトリック処理したような音楽とは少し違い、R&B畑のジェリー・ラガヴォイというプロデューサーは、ギタリストとしてよりも、シンガーとしての魅力を引き出したかったのかもしれない。ジョニ・ミッチェル、アラン・トゥーサン、ジョン・プライン、ビル・ペインらの曲に混じって収められた、Rainy Day Manもそう。バックには、ジョン・トロペイ(g)、スティーヴ・ガッド(ds)、ボブ・バビット(b)らNYのセッションメンが、顔をそろえてる事とも関係あるかな。
ところで、雨男みたいな意味とはちがうようだ。
Coast To Coast Fever / David Wiffen
カナダのsswというと、それだけで身構えてしまう感じがある。真摯なスタイル、歌詞がわからないとあかんのかなあ?とか、ことさら「うた」を強調してしまった、日本のマイナーなプレス(特にsswが袋小路に追い込まれた70's後半以降)の功罪もある。
ウィッフェンというと伊Akarmaからブサイクな紙ジャケの再発CD(あれは1枚目か)もあるが、これは2枚目(’73)で、ブルース・コバーン(苦手です)が参加してほとんどの曲でprodというのが、僕のような人間にとっては、回り道した理由。予想外にいいのは、シンプルな歌声とメロディ。”Skybound Station”、”Climb The Stairs”、”You Need A New Lover Now”、そしてタイトル曲がいい。リリースはUAから。