11066◆◆シンデレラ・リバティー・かぎりなき愛('73米)

監督:マーク・ライデル
出演:ジェームズ・カーン、マーシャ・メイスン、イーライ・ウォラック
こういうヒューマンな味わいの作品がゴロゴロしていたのも70'sだったのだ。ダリル・ポニクサン*1の同名原作の映画化。真面目な水兵カーンと売春婦メイスンのぎこちない恋愛ものだけど、メイスンの当たり役とも言えるついてない女*2が冴える。主題歌はポール・ウィリアムス。原題は水兵間のスラングで深夜12時に終了する外出時間のこと。他には、カーク・キャロウェイ、バート・ヤング、サリー・カークランドら。久々に見るとややダレた感じもあり。水兵ものというと「さらば冬のかもめ」の印象強すぎで、ジャック・ニコルソンの顔が浮かんでくる。
マーク・ライデルという監督はTV出身で「女狐」('68)で監督デビューした人。作品数は多くないが「ローズ」('79)、「黄昏」('81)、「フォー・ザ・ボーイズ」('91)とどれもヒューマンな味わいなのが印象的(そんな人が俳優として登場した「ロング・グッドバイ」でキレた演技を見せて多くを驚かせた)。
Cinderella Liberty、20th Century Fox、1h59

*1:邦訳は角川文庫(当然絶版)、ポニクサンのもう1つの代表作「さらば友よ」は「さらば冬のかもめ」の邦題で映画化

*2:そのピークは「グッバイ・ガール」

fever#2

フライング・ブリトウ・ブラザーズ+8

フライング・ブリトウ・ブラザーズ+8

■White Line Fever / The Flying Burrito Brothers
FBBというとグラムのいた頃ばかりが語られるのはまあ仕方がないのでしょう(ちょうどジェームズ・ギャングのジョー・ウォルシュ時代ばかりが話題となるのと同じ)。「Burrito Deluxe」の後
グラムが抜け、バンドはスニーキー・ピート・クレイナウ(steel)、クリス・ヒルマン(b,mand,vo)、バーニー・レドン(g,banjo,vo)、マイク・クラーク(ds)を中心に続きますが、新加入のリック・ロバーツ(g,vo)の個性が良く出たのが3枚目に当たる「Flying Burrito Brothers」('71)です。良く言えばソフトな優しげな味わい、悪くいえば甘ったるいという印象で、グラムの強烈な個性に比べると影が薄いのも仕方がないです。ロバーツの書いた代表曲とされる"Colorado"も僕には、リンダ・ロンシュタットのヴァージョンですら甘すぎる感じしかなかったのですが、ロバーツがそのメロディー・メーカーぶりを発揮するのは、FBB解散後出した2枚のソロとファイアフォールでしょう。
さてマール・ハガードのカヴァー、"White Line Fever"ですが、ゆるやかなカントリー(ロック)で随分落ち着いた印象を受けます。タイトルの白線とはハイウェイの車線を分けるラインの事らしいです(当然トラック・ドライヴァーの歌なので)