遠い約束 (光原百合 / 創元推理文庫) ISBN:4488432018

遠い約束

幼いころからミステリファンだった吉野桜子浪速大学に入学後、
あこがれだったミステリ研究会に入会する。
そこには三者三様の個性を持つ先輩がおり、
読書会や例会だけでなく、日常で巻き起こる事件をも解決していくのだった。
7編収録、280ページ。


連作の形をとった「遠い約束」三部作がなんといっても印象的です。
桜子の祖父の遺言状探しから遺産分配、
そして彼が抱いていたある夢を語る物語です。
この読後感のよさはなかなかで、まさにこの短編集の骨格を担うのには最適だったと思います。


全体を通してみると、パズラーチックで少々好みではなかったのですが
桜子のキャンパスライフを描いたほのぼのとした作品ばかりで
そういったところは他の作品にはないものだったと思います。