白菊 (藤岡真 / 創元推理文庫) ISBN:4488436021

白菊

銀座で画廊を経営しながら、超能力探偵としても活躍する相良蒼司。
とはいえ実際に超能力などあるはずもなく、アシスタントの宝生志摩子が調べてきた情報を元に、
推理を積み重ねて真相を言い当てているに過ぎなかった。
そんな彼の元に大学教授が「白菊」というスケッチを持ち込んだ…
310ページ。


ミステリというものは作品中で世界が反転する出来事さまが楽しみだったりするわけですが
序盤で「白菊」の謎があっさり解読されてしまうというサプライズはあったものの
内容はどうということはなく、記憶喪失の教授の妻が謎の行動をするばかりで
普通のミステリかなと考えていたわけですが
後半になってある謎に対しての回答が示された瞬間
「そんなん納得いかねーよ」と声に出してつぶやいてしまったところ
作中の人物までもが似通ったセリフを繰り出してきたときには
このシンクロっぷりにしてやられた気分にさせられました。


正直こんな読書体験した¥ことはあんまりなくて
こんなにまで物語に入っていたのかと思うとちょっと笑わされてしまいましたね。


主人公の渋さにはなかなか好感が持てますよ。
★★★★

今日買った「small planet」という写真集なんですが
本屋で偶然目に入って目が離せなくなってしまったので購入しました。


ただの俯瞰写真のはずなのですがどう見てもミニチュアのようにしか見えません。
不思議でならないのですがこんな緻密なミニチュアをわざわざ製作できるわけもないので
これは現実の写真なのでしょうねえ。
表紙の東京競馬場第4コーナ奥から撮影したシーンもなにか不思議で
動きを感じられないせいかどうしても作り物っぽく見えます。
逆に動きの感じられる写真(後ろのほうにあった高速道路の写真)は
物の風景に見えるのですが。
同時に動きのない写真も続けて見られるのでその印象の違いは大きくみえます。


これは正直web上で見てもインパクトは感じられないのが残念です。


http://www.littlemore.co.jp/book/kobetsu/art/smallplanet.html#


うーん、これは★★★★★だな。