sekibang 1.0

2012年1月3日まで利用していたはてなダイアリーの過去記事です。

カールハインツ・シュトックハウゼン《グルッペン》




 Youtubeを観ていたらカールハインツ・シュトックハウゼンの《グルッペン》の映像が見つかった。こちらは3つのオーケストラを使用して、音を塊として操作する……云々というトーンクラスター技法の先駆けにもなった、と評される作品である(確か近藤譲があまりの難解さに『現代音楽はもう終わった』みたいな発言をしていた気がする)。とにかくギネス級の規模の大きさであるが、こちらの演奏は3つのオケを指揮する3人のメンツがすごい。サイモン・ラトル、ジョン・カレヴェ、そしてダニエル・ハーディング……と横綱みたいな人たちが揃っている(1998年の演奏、ダニエル・ハーディングが美青年過ぎてやばい。当時まだ23歳!)。
 この作品をBBCフィルハーモニックを今年演奏していて、それを生で聴いた友人から話を聞いたのだが、演奏会場で聴くと(視覚的にも)かなりすごいらしく、会場のロイヤル・アルバート・ホールのアリーナ席にもオケが一杯配置されていて、マリンバ奏者の隣にお客さんがいる……みたいな感じらしい。この映像でも観ていて相当すごいのだがやはりモノラルの音源では作品の内容は10分の1も伝わらない気がする。もうすぐシュトックハウゼンが亡くなって1年が経とうとしているが、日本でも演奏される機会がないかなぁ、と思う。

Stockhausen: Gruppen; Kurtág: Grabstein Fur Stephan Stele

Deutsche Grammophon (2008-09-30)
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 録音ではこちらのクラウディオ・アバドの演奏が有名だが、近年はもっと良い演奏がある、とのこと(たしかミヒャエル・ギーレンが指揮したものだったか……?)。DVDオーディオだのSACDだの最近では高音質・多チャンネルで再生可能なメディアがいろいろあるけれども、本当のところ、こういうものこそ録音して欲しいなぁ、と思う。まだ、多チャンネルでの再生環境を持ってないけれど……。