ウガンダで暴動

今年9月、ウガンダにキザ・ベシギェ(Kizza Besigye)が帰国した。ベシギェはムセヴェニが反オボテのゲリラ闘争を行っていたころから、ムセヴェニの主治医を勤めていた男。ムセヴェニがオボテを倒し権力を握ると、政界入りし、内相の座についた。ただ、90年代に入ると、ムセヴェニとの仲は冷え込んでいたといわれている。
2001年、ベシギェはムセヴェニの対抗候補として大統領選に出馬を表明。ムセヴェニの運動の非民主主義、腐敗、汚職を告発する文書を起草する。選挙でムセヴェニに敗れると、不正選挙だったとして裁判に持ち込むが、ここでも敗ける。身の危険を感じたベシギェは国外に逃亡した。
そのベシギェが4年後の今になって帰国した。来年3月の大統領選を睨んでの動きであるのは間違いない。折しもムセヴェニは夏に憲法改正を行い、大統領を務められるのは2期までという制限を撤廃した。来年の選挙でムセヴェニの強力な対立候補としてベシギェが浮上してきた。
10月14日、帰国から3週間後、ウガンダ政府はベシギェを逮捕した。罪状は反逆罪と婦女暴行。反逆罪については、ベシギェはDRコンゴの反政府勢力と手を結び、政権打倒を目指したと主張されている。また、神の抵抗軍との繋がりも取りざたされており、反逆罪で有罪が確定すればおそらく死刑。婦女暴行のほうは1997年にベシギェにレイプされたという女性の告発を受けて。
当然、この逮捕には疑惑が持たれ、ベシギェ支持者はデモを組織。デモは暴動に発展し、車や商店に火がつけられた。警官隊は催涙弾や銃弾を発砲、少なくとも1人が死亡している。
──うーん、これはウガンダ政府がアメリカの大手広告代理店ヒル&ノールトンと契約してPRに努めても、ごまかしきれないアクションだな。つうかヒル&ノールトンはなんか仕事しているのか?
追記。ベシギェの反逆罪の共犯として捕まった22人のうち、14人は保釈を認められたが、法廷から出ることを拒否。理由は黒いシャツを着た謎の武装集団が法廷の外に待ちかまえているため(写真参照)。ベシギェは法廷に姿を見せていない。なんだこの展開は。VOAニュースでは、黒シャツの武装集団は政府関係者だと説明されたとのレポート。警察やMPとともに現れたという。