『ハムレット』

 シェイクスピアの最も有名な戯曲の一つ。主人公ハムレットの父である先王が亡くなり、デンマーク王の座は先王の弟、ハムレットの叔父であるクローディアスが受けついだ。そしてクローディアスは王位につくと同時に先王の妻、ハムレットの母であるガートルードを后として迎え入れた。若きハムレットの憂鬱は深い。先王の幽霊が登場し、自分が弟クローディアスによって毒草の汁を耳に注がれて命を落としたことを語る。さらに憂鬱が深まったハムレットは心の乱れを隠すためうつけ者を演じる。とても有名なセリフ、To be or Not to be : that is the questio は、第三幕第一場でハムレットによって語られる。本書では小田島雄志の訳で「このままでいいのか、いけないのか、それが問題だ」となっている。復讐を為そうとする心の猛りを抑え続けるべきか、解き放つべきか・・・。

 『ハムレット』は『オセロー』マクベス』『リア王』とともにシェイクスピアの四大悲劇に数えられる。まぁ、悲劇というくらいだからその結末はとても悲しい。いや悲しいというより悲惨、凄惨だ。なにもここまで・・・・と思うくらい、ある意味ハチャメチャなエンディングなのだが、天才シェイクスピアの筆にかかれば、人間の悲しさ、業の深さをえぐる名作となる。

ハムレット (白水Uブックス (23))
作者: ウィリアム・シェイクスピア
メーカー/出版社: 白水社
ジャンル: 和書