拓海広志『松林』♪

 かつて舞子の浜は見事な松林が続く風光明媚なところでした。子供の頃の僕らは放課後になるとよく浜へ行き、薄暗くなるまで遊んだものです。当時の国鉄舞子駅は木造からコンクリート製に変わったものの、松林の中にひっそり構えた小さな駅で、とても風情がありました。そして、駅からボンネットバスに乗って数分走ると僕の家まで至ったのです。そんな松林での幼き日々の出来事を思い出しながら作った曲です。


【松林】
(詞・曲/拓海広志)(1979年)


 幼い頃に君と二人で遊んだ松林
 松ぼっくりを海に投げ 船に向かって歌ったろう
 あの日よ いつまた 僕のもとに戻って来て
 あの日の君 いつまた 僕のために歌って


 幼い頃に君と二人で遊んだ松林
 松葉で相撲を取りながら 波のざわめき聞いただろう
 あの日よ いつまた 僕と共に 旅に出て
 あの日の君 いつまた 僕のために笑って


 幼い頃に君と二人で遊んだ松林
 君は蝶々を追いかけて 海にはまって泣いたっけ
 あの日も 今では 僕の大事な思い出
 あの日の君 いつまた 僕を連れて帰って


 幼い頃の僕がいつも夢を見た松林
 松の木で筏を作り 海の彼方へ行こうなんて
 そうして 君は 僕のお嫁さんになり
 二人で 仲良く 暮らそうなんて


 幼い頃の君を思い出させる松林
 二人で歩いた日暮れ道 君のほっぺは真っ赤っか
 あの日よ いつまた 僕を優しく包んで
 あの日の君 いつまた 松林を歩こう


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 拓海広志『舞子を想う』


(無断での転載・引用はご遠慮ください)



【舞子浜から明石海峡を望む。かつて舞子にあった美しい浜と松林、木造駅舎とボンネットバス・・・。今はその面影も残っていない】


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