days of cinema, music and food

徒然なるままに、食い・映画などの情報を書いていきます。分館の映画レビュー専門ブログhttp://d.hatena.ne.jp/horkals/もあります。

ホームシアター・グレードアップ大作戦・第2部(その4)


昨日の記事の続きです。


接続も終わり、いよいよスピーカからの音出しになります。
このシステムはかなり異色です。
というのも、BDを観るなどのマルチチャンネル再生時には、AVアンプPanasonic SU-XR700はアナログ入力。
CDを2chで聴く場合には、SU-XR700はHDMI入力。
CDの場合は何故HDMIになるかというと、アナログマルチの場合はサブウーファーを専用チャンネルで駆動していますが、2ch再生時にはそれはありません。
となると低域が不足気味になってしまいます。
そこでAVアンプ側はHDMI入力にし、低域も調整した設定で出力する…という、かなり変わった入出力設定になるのです。
これはBDP-LX91のアナログ出力と、SU-XR700のHDMI入力、それぞれの性能を信用した上でのシステム…というか、完全にLX91に特化したシステムですね。
私にはとても考え付きそうもありません。
そんなややこしいシステムでもあるので、白須さんはSU-XR700を色々と調整します。


また、SU-XR700には映像入力がされていません。
映像入力をするとAVアンプ側の処理能力に負荷が掛かり、音質に影響が出るからとのこと。
よって今まで大活躍だったPLAYSTATION 3は音声ケーブルのみの接続となっています。
使うときにのみLX91と繋ぎ変えることになりますが、Blu-ray DiscプレイヤーはLX91が受け持っているので、PS3使用はSACDぐらいしか考え付きません。
それだったらお金をためてSACDプレイヤー購入を検討する、というのも手かも知れませんね。
まぁ先の話にはなりますが。


白須さんの調整後、まずはCDでの音出しになります。
CDは、私のリファレンス・ディスクである『恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ』サントラCDです。
デイヴ・グルーシンのセンスが光るアルバムで、しかも高音質。
近々きちんとご紹介したいと思っています。
またこれは、秋葉原のダイナミック・オーディオでスピーカ選びをする際、持って行って聴かせてもらったCDでもあります。
その結果、S-LH5aを選び、今度また新しいスピーカの初再生にも使われるのだから、何やら因縁めいたものも感じる…というのは少々感傷に過ぎるでしょうか。
白須さんはサンダーロンジャケットでCDを除電し、LX91をセットしました。
「このプレイヤーは、セットしてすぐに音を出してはいけません。きちんと読み込ませないと。音が変わりますから。」とは白須さん。


1曲目のジャジーなMain Theme。
ちょっと高域がきつめで付帯音がくっついているかのよう。
でもいずれリッチな響きになるのでは、と予感(期待?)させる音です。
中域はまずまずではないでしょうか。
低域は…うーん、物足りないかな。
やや窮屈な感じはしますが、これらはユニットが駆動するようになると解消されることでしょう。
音の量感は紛れも無く今まで味わえなかったもの。
ちょっとそこには感動しました。
また、SU-XR700の音量ヴォリュームの位置が、S-LH5aの場合より控え目であっても、音量が大きく出ます。
「能率が良いからですよ」と白須さん。
しかし白須さんもHさんも、厳しい表情で再生音に対して注意深く、集中力を研ぎ澄まさせて聴き入ります。
「どうですか?」と白須さんに感想を求められたので、前述のような感想を言いました。
Hさん曰く、エンクロージャは2-3日前に出来たばかり。
製作時に4トンもの重さを掛けている為、筐体にストレスが掛かっており、それを戻そうという力も働いているので窮屈な感じなのだとか。
白須さんは、ランバー製だと最初の音出しでもどんどん音が変わるのに、それよりも重くて堅いラワン製のこれは全然音が変わらない、とのこと。
Hさんによると、エンクロージャが良い響きを出すようになるには、3ヶ月くらい掛かるそうです。
夏まで気長に待ちましょう。


娘の相手をしたりで中座して戻ると、白須さんとHさんはまだまだ音に集中していらっしゃる様子です。
次々と曲を変えて音を出す白須さん、気付かれたことがあったようです。
サブウーファーから、ノイズが出ているということに。
言われてみると、「ジー」というノイズが出ています。
設定を色々と変えてみても、ノイズは減りません。
原因はAVアンプかパワーアンプか不明ですが、何故かノイズが出ているのです。
気付いてからは、ウーファーからのノイズが気になって仕方なくなってしまいました。


AVアンプSU-XR700は今まで問題無く音を出していましたし、Integra ADM-30.1はアークスにて動作確認済みです。
原因究明は、後日白須さんが別のパワーアンプを持って来て接続して確認することになりました。
「うーん、いきなり躓いてしまいましたね」と白須さん。
まぁでも、何とかなるでしょう。


BDソフトは先週に引き続き『007/慰めの報酬』。
LX91のサンダーロンの映像への効果を確認です。
冒頭のコロンビア・ピクチャーズの自由の女神
色合いが鮮やかになったし、顔の立体感が違います。
これだけでも確認出来ました。
やはりサンダーロンはLX91にも効果的だったようです。
但しブレーカー等への対策も利いているのでしょう。
いやはや、処理してもらって良かった。


私がシアターに篭っているので、娘は居間で「パパ、パパ」連呼していたとか。
そこで妻が防音ドアをノックして入れさせると、白須さんとHさんという見知らぬ男性が2人もいてビビっているのですが、好奇心に負けた様子。
もらいもののミル・マスカラスの頭巾を被って入ってきましたが、音量が結構大きめだったので抱えて連れ出しました。


さてこの日の作業は取り敢えず完了。
白須さんとHさんが帰られたのは20時でしたから、朝の9時から休憩込みで11時間も作業されていたことになります。
相当にお疲れになった事でしょう。


そして後日、白須さんお一人でパワーアンプ持参でいらっしゃいました。
娘もいい加減に白須さんに慣れたのか、勝手知ったる顔でホームシアターまで付いて行こうとします。
椅子に勝手によじ登って座り、スクリーンを指差して「あっあっ」と言います。
画面を映せ、という意味です。
物心も付いたし、テレビっ子になるのは一瞬。
大画面の威力は1歳児をも虜にするのか…と思いました。
さて白須さんはパワーアンプを接続します。
ノイズは出たまま。
「SU-XR700が原因ですね、これは」
今までこのシアターでは、フロントはS-LH5aを使い、0.1ch分も同スピーカに入力→出力していました。
つまりアンプのサブウーファー出力は使っていなかったのです。
接続不良っぽいノイズ(スイッチング・ノイズという類のものだとか)が出ているのは、その0.1chからのものなのですが、いつ壊れたのかは分かりません。
意外なところに陥穽が待ち受けていました。
そこで白須さんの方からメーカーに修理依頼を出してくれることになりました。
その間の代替アンプは、Pioneer VSA-AX3になりました。

写真の上から2段目になります。


もちろん、アナログ・マルチチャンネル入力対応のAVアンプです。
但しHDMIは付いていないので、2ch再生時にはかなり低域が物足りないのはやむを得ません。
またTHX対応ですが、今回は素のままの音を出すだけなので、そういった機能は使用しません。
プレイヤー側でデコードされた音を出すのみ、単なる音量調整アンプになります。
音は悪くないのですが、サンダーロン処理されたSU-XR700の持つ鮮度には負けています。
しかし日に日にスピーカの音が良くなっていくのが、はっきり分かります。
高域はリッチになりつつありますし、中域も中々。
全体に明るく軽快、かつ高解像度の音といったところでしょうか。
かなり良い素質に恵まれているスピーカだと言えそうです。
反対に低域、つまりウーファーはまだまだお目覚めで無い様子。
S-LH5aの方が低域は出ていましたが、新しいウーファー達も実力を発揮し出したら、振動を出すようになる筈です。
それまでに鳴らし込みが必要ですが、これは日中の不在時に何か映画ソフトをリピート再生させる必要がありそうですね。


10年近く活躍して来たS-LH5aは、今はホームシアターの隅っこでお休み中です。

サラウンド用として取り外されたユニットは、近々白須さんによって元のエンクロージャに戻される予定です。
長年、楽しませてくれてありがとう!&お疲れ様でした!!
君たちのことは忘れないよ!!!


SU-XR700が戻って来たら、また続きをリポートする予定です。
これ以上は予想外の展開にならない…と思っていますが(^^;


AV機器マニアでもなく、大して仕様や原理についても詳しくない、気軽に映画や音楽のソフトを楽しみたいと思っているだけだったのが、今回はよもやのグレードアップ大作戦になってしまいました。
アンプのトラブルもありましたし、まだ発展途上ではありますが、妻と白須さん&Hさんに感謝、感謝です。